教えて!BDくん

【教えて!BDくん】日本語版でわかっちゃう! いろんなBDの違いをお勉強するベデ!の巻 〈前編〉

 

こんにちは! ベデくんだベデ!

 

すっかり春らしい陽気になったベデね~。

さて、今回も日本のみんなにBDの魅力をもっと知ってもらうために、

またまたShoProさんのサイトにお邪魔したベデ!

 

 

最近はバンド・デシネ(以下BD)の邦訳がいろいろ出てるベデが、

いろいろあってBDというものの全体像がわからない!

BDを知るためのとっかかりがつかみにくい! という話を何人かの方からうかがったベデ。

 

 

たしかに、BDはまだ翻訳や紹介が少ないので、

それぞれの作品の位置づけがわかりにくいかもしれないベデね。

そこで、今回は既に翻訳されている作品を中心にBDの大まかな分類をお勉強するベデ!

 

現在入手しやすいBDの邦訳についてはこちらにまとめてあるベデ。

もちろんこれ以外にも翻訳は色々あるベデが、話をわかりやすくするために、

とりあえずこのリストを中心にレクチャーするベデよ。

 

 


 

0404_01.jpg

 

 

まず邦訳リストを見て、BDというカテゴリーの中に

日本では絵本として扱われる事の多い『タンタンの冒険』や『スマーフ』と、

難解でアーティスティックなエンキ・ビラル先生やニコラ・ド・クレシー先生の作品が同居していることに

ちょっと違和感を覚える人もいるかもしれないベデね。

 

 

前回お勉強したベデが「バンド・デシネ」とは「マンガ」の事ベデ。

 

今まで日本では、あまり時代的なものや世代的な事を考慮せずに、様々なBDが紹介されてきたベデ。

例えるなら『のらくろ』と『ねじ式』と『ドラゴンボール』を十把一絡げにしてきてしまったようなものベデね。

 

一見繋がらなさそうベデが、でも『のらくろ』があったからこそ

後に続く手塚治虫先生や、劇画のムーブメントが誕生したように、

BDにも大きな歴史的な流れと影響関係が存在するベデ。

 

 

 

 

■BDの3つの大きな世代の流れ

 

 

BDは時代によっていろいろと変遷していくベデが、

大まかに言うと1980年代後半までは、基本的に、まず新聞や雑誌に作品が掲載され、

その後、アルバム(前回お勉強した単行本の事ベデ)になるという流れだったベデ。

 

だけど、1980年代後半に、作品の連載媒体としての雑誌が衰退してほとんど無くなってしまったため、

現在では描き下ろしでアルバムが出版されるようになっているベデ。

(ちなみに最近はWEB上で発表された作品がアルバム化されたり、

ごく一部にはまだ雑誌連載を経てアルバム化される事もあるベデが、とても稀なケースベデ)

 

このような出版状況の違いなどを頭に入れた上で、

第二次世界大戦後のBDの流れを3つの世代にわけて分類すると理解しやすいベデ。

 

 

     【1】子供向け作品が主流の世代 (1950~1980年代)

         ・・・『タンタンの冒険』『スマーフ』など

 

     【2】ビジュアル面の優れた大人向けの作品の世代 (1970~1990年代)

        ・・・メビウス、エンキ・ビラル作品など

 

     【3】BD多様化の世代 (1990年代~現在まで)

        ・・・作家性の強いオルタナ系、娯楽色の強い大手出版社作品など

 

 

 

0418_01.jpgのサムネール画像

 

 

では、それぞれの世代をもう少し詳しく見てみるベデ~。

 

 

 

 

 

■子供向け作品が主流の世代 (1950~1980年代)/『タンタンの冒険』『スマーフ』など

 

 

リストで言うと、エルジェ先生の『タンタンの冒険』シリーズとペヨ先生の『スマーフ』シリーズが

この頃の作品になるベデね。

 


60年代後半になるまでBDには大人向けの作品は多くなくて、子供向けの作品が中心を担っていたベデ。

 

この世代の作品は日本ではあまり紹介されてないベデが、

当時タンタンと人気を二分した『スピルーとファンタジオ/Spirou et Fantasio』(未邦訳)や、

ラッキー・ルーク』(邦訳:双葉社・1974年)、

そしてBDを代表する超人気シリーズ『アステリックス』(邦訳:双葉社・1974年)など、

BDの歴史においてかなり重要な作品がこのカテゴリーに入っているベデ。

 

0404_03.JPG

  ←アングレームの漫画ミュージアム入り口にある

   アステリックス像。

 

 

面白いのは、ゼップ先生の『ティトゥーフ/Titeuf』(未邦訳)や

ミダム先生の『キッド・パドル/Kid Paddle』(未邦訳)のように新しい子供向けのヒット作が登場している一方で、

上で紹介したような古典的な名作たちが今も読者から愛され続けていることベデ。

 

例えば、1947年から連載が始まった『ラッキー・ルーク』はフランス語圏では

とっても有名な子供向け作品ベデが、元々の作者モリス先生が亡くなったあとも

別の作者がシリーズを引き継いで、未だに新刊が出版され、しかもそれがベストセラーになっていたりするベデ。

(ACBDによると、2010年に出た新作の発行部数は47万部!)

1950年頃に始まった作品がそのまま現在もBDを代表するヒット作として存在しているベデ。

 

日本では、「BDといえば大人向け」というイメージ広まっているベデが、

それはどちらかというと、この時代の後に登場する大人向けのBDの方が

日本ではインパクトを持って紹介されてしまったためであって、当然、

子ども向けのBDが無くなったわけでもないベデ。

以前ほど優勢ではなくなっただけで、今も途切れることなく続いているベデよ。

 

 

フランスではこれらの古典は世代を超えて読み継がれていて、

今も昔も子供時代に読んだアルバムを、そのまま捨てずに大人になってからも大切に持っている人も多いベデ。

 

 


というわけで、ひとまず今日はここまでベデ!

次回は残りの2つの世代について紹介するベデ~。

 

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