氷河期 -ルーヴル美術館BDプロジェクト-




荒木飛呂彦氏、推薦!
ひとコマ。ひとコマ。まったりと見入ってしまう。
お茶とお菓子をそばにおいて、ずっと眺めていたい。
本書は、パリのルーヴル美術館が、コミックという表現方法を通じて、より幅広く世間にルーヴルの魅力を伝えるため企画したBD(ベー・デー)プロジェクトです。「ルーヴル美術館」をテーマに、フランス国内外から選出されたアーティストが個性豊かに作品を描き、日本からは『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦氏が参加したことでも話題を呼びました。
本書では、技巧を凝らしたアートワークとシニカルなキャラクター造形で人気のBDアーティスト、ニコラ・ド・クレシーが、氷河に覆われた近未来のルーヴル美術館を舞台に、独創性あふれる物語を展開します。作中には、なんと91点もの美術品が登場。巻末には、西洋美術史家・小池寿子氏による詳細な美術解説も収録した、かつてないルーヴル美術館への案内書です。
※BD(ベー・デー)とは? BDはフランス語圏のコミックを示す言葉。複雑で技巧に富んだ華麗なアートワークを特徴とするが、その表現方法は多岐にわたり、日本の漫画とも英米圏のコミックともちがう独自の発展を遂げている。
地表が氷河に覆われた未来のパリ。豪雪地帯を進む考古学調査隊は、雪に埋もれた巨大な建造物を発見する。膨大な美術品が納められたその建物を探索しながら、調査隊は「失われた文明」を読み解こうと、奇妙奇天烈な解釈を展開していく。一方、調査隊とはぐれた探査犬ハルクに、美術品たちは口ぐちに自らの過去を語りはじめ......?
(作)ニコラ・ド・クレシー Nicolas de Crécy
1966年、フランスのリヨン生まれ。ウォルト・ディズニー・アニメーション・フランス勤務を経て、1991年に『Foligatto』でBD作家としてデビュー。以降、『Léon la Came』、『天空のビバンドム』(邦訳・飛鳥新社)、『Salvatore』などの作品を次々と発表。なかでも『Léon la Came』第2巻は、1998年のアングレーム国際漫画祭にて最優秀作品賞を受賞するなど高い評価を受けた。さらに、シルヴァン・ショメ監督によるアニメーション作品『老婦人とハト』の制作に携わるなど、BD以外の分野でも才能を発揮。また、2005年に日仏共同企画『JAPON』(飛鳥新社)の短編制作のため初来日し、その体験をもとに長編作品『Journal d'un Fantôme』を発表、2008年には京都のヴィラ九条山レジデンスに招聘アーティストとして滞在するなど、日本との関わりも深い。
(訳者)大西愛子 Aiko Onishi
1953年生まれ。翻訳家。主な訳書にステファヌ・マルシャン著『高級ブランド戦争』(駿台曜曜社)、ガルニド&カナレス著『BLACKSAD―黒猫の男』『BLACKSAD―凍える少女』(早川書房)、アンヌ・マルティネッティ&フランソワ・リヴィエール著『アガサ・クリスティーの晩餐会』(早川書房)、ジョルジュ・ルルー著『グレン・グールド~孤独なピアニストの心象風景』(シンコーミュージック・エンタテイメント)などがある
(監修)小池寿子 Hisako Koike
1956年生まれ。お茶の水女子大学教育学部卒業。同大学大学院人間文化研究科博士課程満期退学。文化女子大学助教授などを経て、現在、國學院大学文学部教授。西洋美術史専攻。主な著書に『死者たちの回廊』(平凡社)、『屍体狩り』(白水社)、『死者のいる中世』(みすず書房)、『死を見つめる美術史』(ちくま書房)、『描かれた身体』(青土社)、『一日で鑑賞するルーヴル美術館』(新潮社)、『「死の舞踏」への旅―踊る骸骨たちをたずねて』(中央公論新社)などがある。