闇の国々


<闇の国々>――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。
ある日突然増殖しはじめた謎の立方体に翻弄される人々を描く『狂騒のユルビカンド』、巨大な塔の秘密をめぐる冒険から、数奇な運命へと導かれる男を描く『塔』、未知の天文現象により、体が斜めに傾いてしまった少女の半生を描く『傾いた少女』、傑作と名高い選りすぐりの3作品を収録した歴史的名作シリーズの初邦訳。
メビウス、エンキ・ビラルと並び、BD界の三大巨匠と称されるスクイテンが、ついに日本上陸。繊細な描線、計算されつくされた構図、あらゆる芸術のエッセンスを詰め込んだBD芸術の真骨頂!
(作)
ブノワ・ペータース Benoit Peeters
1956年、フランス、パリ生まれ。2冊の小説を出版した後、1980年代から幼なじみのフランソワ・スクイテンとともに〈闇の国々〉シリーズを手掛け、以後、BDの原作者として活躍。同シリーズは10の言語に訳され、数々の賞を受賞した。また、BD以外にもエッセイ、評伝、映画、テレビ、ラジオドラマの制作など多岐にわたる活動を展開している。『タンタンの冒険』で知られるベルギーのBD作家エルジェの研究家としても有名で、これまでに3冊の研究書を出し、いずれも高い評価を受けている。2010年には、フランスの哲学者ジャック・デリダの初の伝記を刊行し、話題となった。
(画)
フランソワ・スクイテン Francois Schuiten
1956年、ベルギー・ブリュッセル生まれ。1970年代から「Pilote」や「Metal Hurlant」などの雑誌でBDを発表し、1983年、「(A Suivre)」に掲載された〈闇の国々〉シリーズ第1作『Les Murailles de Samaris(サマリスの壁)』で一躍人気BD作家の仲間入りを果たす。現在では、切手やポスターなど、ヨーロッパのいたるところでスクイテンのイラストを見ることができ、まさにBD界を代表するアーティストの一人である。また、スクイテンはパリやブリュッセルの地下鉄の駅のデザイン、オペラやダンスの舞台芸術も手掛けており、2005年の愛知万博のベルギー館をはじめとする数々の国際博覧会のパビリオンデザインなどにも携わっている。
(訳者)
古永真一 Shin-ichi Furunaga
1967年生まれ。早稲田大学他非常勤講師。フランス文学研究の他、BDに関する著作や翻訳も手掛ける。主な著書に『BD―第九の芸術』(未知谷)、訳書にティエリ・グルンステン『線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート』(人文書院)、パスカル・ラバテ『イビクス―ネヴゾーロフの数奇な運命』(国書刊行会)などがある。
原正人 Masato Hara
1974年生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士前期課程修了。BDの専門誌『EUROMANGA』(飛鳥新社)で翻訳および執筆に携わる。訳書にニコラ・ド・クレシー著『天空のビバンドム』(飛鳥新社)、アレハンドロ・ホドロフスキー&メビウス著『アンカル』(小社)、メビウス著『エデナの世界』(TOブックス)、セバスチャン・ロファ著『アニメとプロパガンダ』(共訳、法政大学出版局)がある。