François Schuiten presents

ラ・ドゥース

レオン・ファン・ベルは、12.004号蒸気機関車、通称 “ドゥース”の機関士だ。経験豊かな彼は、この機関車 を熟知しており、いかなる状況でも目的地まで無事に運転できる。だが、鉄道を取り巻く状況は日に日に悪化していた。国中のあちこちで原因不明の増水が起こり、線路が次々に浸水していたのだ。鉄道は、もはや落日の時を迎えていた。やがて鉄道会社は「空中輸送」という新たな交通手段を選択する。以降、人間も荷物も空中をロープウェイで移送されるようになった。ファン・ベルは、愛する鉄道が消えていく現実を、同僚たちが次々と現場を離れていくさまを目の当たりにする。ついにスクラップにされることが決まった愛する“ドゥース”を救うため、ファン・ベルは口のきけない少女エリヤとともに、「機関車の墓場」に向かうのだが……。

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『ラ・ドゥース』
フランソワ・スクイテン 著
古永真一 訳
A4判、100ページ、上製、本文1C(一部4C)
定価:3,360円(税込)