マリー=フランソワーズ・プリサールは、30年来の盟友である。彼女の仕事は、いつだって素晴らしい。写真家の彼女とはかれこれ長いつきあいになる。セノグラフィー(舞台美術)の写真撮影というのは時に困難を極めることがある。明るさが移り変わる空間の撮影は、不安定で難しいからだ。20年前、私は彼女が現像する作業に立ち会ったことがあった。バライタ紙〔乳剤に硫酸バリウムを混ぜた印画紙〕を使っていたので、フォーマットやグラフィックに関わる作業に制約があって苦労させられた。その後技術革新が起こって、我々は2メートル近いサイズでも撮影できるようになり、デッサンや絵画ともうまくマッチする用紙が使えるようになった。彼女の仕事部屋で、ビュー・カメラで撮られた写真のなかから、我々は12形が走行できたかもしれない場所を選んだ。こうした作業は、機関車をどのように表現するのが一番いいのかを一緒に考え、絶えず対話しながら続けられたのだった。