INTERVIEW

映画『しわ』いよいよ公開! イグナシオ・フェレーラス監督インタビュー


今週末6月22日(土)、パコ・ロカの『』を原作とする
アニメーション映画『しわ』がいよいよ公開になります!

このサイトをご覧になっている方はすでにご存知かと思いますが、
『皺』はスペイン人漫画家パコ・ロカ氏によって、2007年にフランスで刊行された作品です。


1212_01皺.jpg


[著]パコ・ロカ
[訳]小野耕世・高木菜々

定価:2,940円(税込)
ISBN 978-4-7968-7091-7

Copyright text and illustrations © 2011 by Paco Roca. All rights reserved


「老い」という誰もが経験するテーマを丁寧な描写で描き出し、ヨーロッパ中で大絶賛を浴びた本作、
2011年に弊社から日本語版が出版された折には、
当時まったく無名の作家だったにも関わらず、口コミで評判を呼び、
ファン投票によって選ばれる「この海外マンガがすごい!2012」では
並みいる名作海外コミックを押しのけて第1位を獲得しました。
さらに、2012年の第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門では、海外コミック初となる優秀賞を受賞。
国境を超えて、熱い支持を受けている作品です。


そしてこのコミック『皺』を原作とするアニメーション映画『しわ』が、
なんと、あの三鷹の森ジブリ美術館の配給で、今週末からいよいよ日本でも劇場公開されます!

Shiwa_poster.jpg しわ

2013年6月22日(土)より
新宿バルト9他にて
劇場公開!

映画『しわ』公式サイト

© 2011 Perro Verde Films - Cromosoma, S.A.


このアニメーション映画『しわ』は、2011年秋にスペインで公開された作品。
映画も、公開されるやいなや、スペイン本国でたいへんな評判を呼び、
スペインのアカデミー賞とも呼ばれる第26回ゴヤ賞アニメーション賞、脚本賞の2部門を受賞しました。
さらに昨年は、なんとここ日本でも、教育番組の世界的コンクールとして知られる「日本賞」で、
2012年度のグランプリを受賞しています。

そこで、公開に先駆けて来日した映画『しわ』の監督イグナシオ・フェレーラス氏に
インタビューすることができましたので、その模様をお送りします!



* * *



●ついさきほどまで、ジブリの制作スタジオを見学されていたそうですが、実際に制作現場をご覧になっていかがでしたか?

たいへん偉大なスタジオだと思いました。アニメーション業界で働く者にとって、スタジオジブリというのは非常に神格化された存在です。なかなか訪問することもできない場所ですから、今回訪問させていただけたことを、とても有り難く、光栄に思っております。

しかも、スタジオを訪問させていただいただけではなく、高畑勲監督、宮崎駿監督にもお会いしてご挨拶する機会をいただけました。本当に嬉しくて光栄で、感動しています。


●原作コミック『皺』を映画化するに至った経緯について教えてください。

じつは最初、私はコミックの原作は読んでおらず、プロデューサーのクリストバル氏から、これを映画化しないかという提案があって、原作コミックが私の元に送られてきたんです。

それで、実際に読んでみて、映画化の仕事を引き受けることにしました。その後、原作コミックを描いたパコ・ロカ氏を紹介されたのですが、私は妻のロザンナ・チェッキーニとエジンバラに住み、エジンバラで仕事をしています。一方パコ・ロカはバレンシアで仕事をしていましたので、お互いメールやスカイプなどで連絡をとりあったり、素材を送ったりしながら作業を進めていきました。


●著者のパコ・ロカさんは、最初この『皺』という「老い」をテーマにしたコミックをフランスの出版社に持ち込む時に、こんな退屈なテーマのコミックを誰が読んでくれるんだろう、とすごく不安だったそうなのですが、監督ご自身は、アニメで「老い」をテーマにした作品を作るにあたって、そのような不安を抱いたりはしませんでしたか?

パコ・ロカ氏が自分の書いたコミックに対して、読んでくれる人がいるのかという不安を抱えていたということですが、私のケースは少し違って、この映画を制作するにあたっては、プロデューサーがそういうリスクを抱える立場にありました。

私は監督でしたから、もう少し芸術的な面で面白いものを作りたいという関心を持っていたんです。私はこの映画の監督として、この『皺』という作品のテーマもストーリーも非常に興味を持っていましたし、ごく自然に「これならできる」と思っていました。


●そういった経緯を経て、本作『しわ』は本国スペインでゴヤ賞、そして日本賞を獲得しました。特に日本賞を受賞したことで、日本でも上映を待ち望む声が高まり、今回ついに劇場公開されることが決まったわけですが、日本での公開を控えた今、率直にどのような思いですか?

とても特別なことだと思いますし、またとない経験だと思っています。

この日本での公開は、もともとは私の個人的な気持ちから始まりました。敬愛する高畑勲監督にぜひ見ていただきたいという思いがあって、高畑監督にこの映画のDVDをお送りしたんです。

というのも私は以前から、高畑監督のアニメーションのスタイルというものに非常にインスピレーションをもらっており、影響も受けているのです。だから、ぜひ監督に見ていただきたいという思いが強かった。

そういう個人的な事情で映像をお送りしたわけなんですが、高畑監督が実際に見てくださり、関心を持ってくださった。そのうえ映画『しわ』を日本で配給していただける、とあって夢のような状態で今ここにおります。


●最後にこれから映画を見る日本の方々にメッセージをお願いします。





●フェレーラス監督、ありがとうございました!

(通訳:吉田理加)

* * *


映画『しわ』は6月22日(土)より新宿バルト9他にて劇場公開。
公開初日には、バルト9にてイグナシオ・フェレーラス監督による舞台挨拶も行われる予定です。
(※詳細はコチラ

すでに原作コミックを読んでいらっっしゃる方も、そうでない方も、
本当に素晴らしい映画ですので、この機会にぜひ足をお運びください!

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