先日、1月31日(木)から2月3日(日)まで4日間の日程で行われた
フランスが世界に誇るバンド・デシネ(以下:BD)の祭典、
アングレーム国際漫画祭2013。
2013年度の受賞作品については既報の通りですが、
受賞作品やフェスティバルそのものは知っていても、
どんなお祭りがどんなところで行われているのか、
日本では、まだなかなか知るチャンスはありません。
そこで今年は、思い切って現地へ取材に行ってきた!というライターの林聡宏さんから、
2013年アングレーム国際漫画祭の現地の生の情報をお届けします!
* * *
会場はアングレームというフランス西部の街。パリやリヨンといった主要都市から
TGV(高速特急電車、日本でいう新幹線)で4~5時間というかなり面倒な場所にあります。
さらにこのTGVがなかなかくせ者で、どこのホームに到着するのか10分前くらいにならないと分かりません。
日本では考えられないですよね(笑)。
アングレームの駅に着くとBDファンでホームや駅の周辺はこの通り溢れかえっています。
(※クリックで拡大します。以下同様)
アングレーム駅を降りたところでは、まだBD一色とは言い切れないのですが...
そこからさらにメイン会場のある街の中心部に移動します。
街中にはフェスティバルの旗と共にこれでもかとBDを売る人々が!
中には「BD 2ユーロ (300円弱)」なんて看板も・・・・
街中には隠れBDスポットが用意されており、家々の壁や路上の消防器具など、
そこら中にBDキャラクターたちが描かれています。
これを全て探すのもこのお祭りの醍醐味のひとつなのです!
パン屋さんにまで・・・・
各パビリオンに入るには一日券、もしくは連日券を買わなくてはならないのですが、
この日は到着時間も遅かったので購入は見送ることに。
代わりに夜のアングレームを徘徊します!
夜のアングレームは、昼間とは打って変わってシックな雰囲気へと様変わり。
教会の壁に映し出されたホログラムにアステリックスとオベリクスが!
コミカルなアニメーションと幻想的な雰囲気に人々も立ち止まって見入っていました。
最後にはしっかり協賛宣伝も。
わたしのウェブで行ったホテルの予約がうまくいっていなかったらしく、
別のホテルを斡旋されたのですが、偶然にもこちら各出版社の御用達。
ディナーの予約もこの通りです!
ちなみに毎年こちらのホテルはお祭り中は関係者が多く宿泊するそうです。
穴場スポットのひとつですね・・・・。
またまた偶然ですが、昨年海外マンガフェスタにも来日された
『闇の国々』の原作者、ブノワ・ペータース氏とエレベーターでばったり!
朝方にはグランプリ審査委員を送迎する車がホテル前に・・・・とんでもないところに泊まってしまいました。
地元テレビ局のインタビューを受けていたため、ご挨拶はかないませんでしたが、
同じく『闇の国々』の作画担当フランソワ・スクイテン氏と各作家陣、審査委員が続々と登場!
本日は15ユーロの一日券を購入し、いざパビリオンへ!
まずは路上までのびる長蛇の列を発見、その先には・・・・
昨年のグランプリ受賞者ジャン=クロード・ドゥニ氏の展覧会。
残念ながら館内の撮影は禁止されていました。
BDラジオチャンネルのトレーラーと、その横にはコスプレ体験パビリオンが!
そのコスプレのまま街中を歩き回ることもできます(笑)日本ではいたって普通なこの光景、
実はヨーロッパではまだまだ一般的ではありません。
こちらは今回特設された韓国パビリオン。
新進気鋭の作家陣の原画が並びます。日本も負けてられません!
こちらがメインの物販ブース。フランスの大手BD出版社
CASTERMAN、DARGAUT、Glénatt、Futuropolis、DELCOURTなどが軒を連ねます。
なによりこのパビリオンでは買ったその場でBDに作家からのサインがもらえるという特典付き!
各作家陣の前には長蛇の列が! 大混乱状態でした!
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別のパビリオンには中小系の出版社のブースや、アメコミ、中国・台湾の作家のコーナーが。
こちらも大手に負けじと大賑わいです。
中にはエロティックなBDを取り扱ったり、謎のキャラクターを展示する出版社も!
そしてこちらの近未来的な建物はアステリックスやBDの変遷が展示されています。
アステリックスたちにかかれば名画たちもこの通り! BD流のオマージュで楽しませてくれます。
その先にある川を越えて・・・・
こちらの建物の中にはBD作家から指導を受けた素人の作品が展示されています。
差し詰めBD教室と言ったところ。ユーモア部門やオリジナリティーなど各賞が贈与されています。
その横の建物ではBDとBDグッズ、そしてマンガの販売コーナーが設けられていました。
とんでもない量の品揃えです!
ちなみにご覧の通りアングレームは景色だって抜群です!
BD抜きにしてもフランスでも有数の観光地として知られています。
いかがだったでしょうか。撮影禁止の区域もあるため、全てをお届けできないのが残念ですが、
少しでもアングレームの空気を感じていただけたでしょうか?
本当に時間さえあれば4日間全日程滞在して漫喫したくなる素敵なお祭りでした!
みなさんも来年度、機会があればどうぞアングレーム国際漫画祭を訪れてみてください。
(取材・執筆:林 聡宏)