ヴィヴェスの来日やなにやらで慌ただしくしているうちに、
すっかりアングレーム国際漫画祭の結果をお知らせしそびれておりました......。
というわけで、
もうすでにご存じの方も多いかと思うので、いまさらではありますが、
改めて第41回アングレーム国際漫画祭の受賞作品をお知らせします!
⇒公式ノミネート作品一覧は コチラ から
Prix du meilleur album 2014 最優秀作品賞 | |
Come Prima (コメ・プリマ) 著者:Alfred 出版社:Delcourt 制作:フランス 父親の死後、二人の兄弟が母国イタリアへ向けて旅立つ。口喧嘩や思い出話を繰り広げながら、亡き父親に思いを馳せ、やがて二人の関係に新たな光がもたらされる。 ≫公式サイトで試し読み | |
Prix du Public Cultura キュルチュラ読者賞 | |
Mauvais genre (悪趣味) 著者:Chloé Cruchaudet 出版社:Delcourt 制作:フランス 第一次世界大戦下のフランスで、脱走兵となったポールは逃げのびるために女装することを余儀なくされた。 女装したポールとその妻の実話に基づく物語。 ≫公式サイトで試し読み | |
Prix Spécial du Jury 審査員特別賞 | |
La Propriété (財産) 著者:Rutu Modan 出版社:Actes Sud BD 制作:イスラエル レジーナ・セガルは、息子の死後、孫娘のミカを連れてワルシャワのアパートへと向かう。遠い思い出と痛みを伴う家族の物語。 ≫公式サイトで試し読み | |
Prix de la Série シリーズ賞 | |
Fuzz and Pluck tome 2 - Splitsville (ファズ&プラック) 著者:Ted Stearn 出版社:Cornélius 制作:スペイン 攻撃的な鶏のファズと恥ずかしがり屋のクマ、プラック。彼らのシュールで危険な日常を描く風刺漫画。 ≫公式サイトで試し読み | |
Prix Révélation 新人賞 | |
Mon ami Dahmer 原題:My Friend Dahmer (ぼくの友達ダーマー) 著者:Derf Backderf 出版社:ça et là/Harry N. Abrams 制作:アメリカ "ミルウォーキーの殺人鬼"の名で知られる実在の連続殺人犯ジェフリー・ダーマー。この怪物はいかにして生まれたのか? その幼少期を紐解く物語。 ≫公式PV(動画)で試し読み | |
Le Livre de Léviathan 原題:The Book of Leviathan (リヴァイアサン) 著者:Peter Blegvad 出版社:l'Apocalypse 制作:イギリス/アメリカ 1990年代、イギリスで新聞連載されたコミックストリップ。顔のない赤ちゃんが繰り広げるシュールで哲学的なコミック作品集。 ≫公式サイトで試し読み |
その他の受賞作は下記の通りです。
●Prix jeunesse/子ども向け作品賞
『Carnets de Cerise #2 Le Livre d'Hector』Joris Chamblain et Aurélie Neyret (Soleil)
●Prix du patrimoine/遺産賞
『Cowboy Henk』Herr Seele et Kamagurka (Fremok)
●Fauve Polar SNCF/SNCF(フランス国鉄)ミステリ作品賞
『Ma Révérence - Rodguen』Wilfrid Lupano (Delcourt)
●Prix de la bande dessinée alternative オルタナティヴBD賞
『FANZINE CARRE』(Hécatombe - Suisse)
そして、漫画の発展に寄与した作家に対して贈られるグランプリ(功労賞)は
『カルヴィン&ホッブス』で知られるアメリカの漫画家ビル・ワターソンが受賞しました!
Grand prix de la ville d'Angoulême グランプリ |
Bill Watterson ビル・ワターソン |
1958年、アメリカ・ワシントンDC生まれ。1985年から1995年にかけて新聞に連載した『カルヴィン&ホッブス』で知られ、想像力豊かな男の子カルヴィンとその親友でぬいぐるみのトラ、ホッブスのユーモラスな日常を描いたこの作品は、アメリカの地域新聞を中心に、最も多い時で2,400紙以上に掲載された。作者のビル・ワターソンが商業化を嫌い、キャラクター展開などはほとんどされていないが、登場人物たちの鋭い批判精神と毒のあるユーモアは、時代・世代を問わず人々に親しまれている。1993年には集英社、2004年には大和出版から邦訳版も刊行されている(いずれも絶版)。 |
今回は、ビル・ワターソン氏、大友克洋氏、アラン・ムーア氏の3名が
最終選考に残っていたため、「誰が受賞しても大ニュース!」と
発表をドキドキしながら見守っておりましたが、無事、ワターソンに決まりました。
ただ、グランプリ受賞者は、
翌年のアングレーム国際漫画祭の大会委員長を務めなければならないのですが、
なにしろワターソンは長年公の場に姿を現すのを嫌ってきたことで有名な作家さんなのです。
受賞後、電話取材に成功したアメリカ人記者によれば、
すでにワターソン自身は「来年アングレームに行く予定はない」と言っているそうで......?
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来年もアングレームから目が離せませんね!(いろんな意味で)