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アングレーム国際漫画祭2015 受賞作品発表!!


先日、日本時間の2月2日0時より、
第42回アングレーム国際漫画祭の閉会式が開催され、
受賞作品が発表されました。

それでは受賞作品を一挙にご紹介します!

⇒公式ノミネート作品一覧は コチラ から。





Prix du meilleur album 2015
最優秀作品賞


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L'ARABE DU FUTUR T1

(未来のアラブ人 1巻)

著者:リアド・サトゥッフ
出版社:Éditions Allary
制作国:フランス

保守的なアラブ世界に生きた父親の元に生まれた作者が、自伝的にその生涯を描いた作品の一巻目。シリア人の父がフランス滞在中にフランス人の母と出会い結婚。サトゥッフはその幼年期を独裁者とされるアサド統治下のシリア、カダフィ政権下のリビアで過ごすこととなる。タイトルの「未来」というキーワードには、慣習に捕らわれすぎる中東世界よりも、息子には更に開かれた世界を生きて欲しいと望んだサトゥッフの父の願いが込められている。
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Prix du Public Cultura
キュルチュラ読者賞


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LES VIEUX FOURNEAUXT 1
- CEUX QUI RESTENT

(古ぼけたかまど 第1巻 - 残されたものたち)

著者:ポール・コエ(作画)、ウィルフリッド・リュパノ(原作)
出版社:Dargaud
制作国:フランス

長く連れ添った妻を亡くした70代のアントワーヌ。葬儀に駆けつけた幼なじみピエールとエミールは、銃を手に妻の元不倫相手への報復にイタリアへ車を走らせるアントワーヌを止めるべく、妊娠中の孫娘ソフィーと珍道中に旅立つ。
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Prix Spécial du Jury
審査員特別賞


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BUILDING STORIES
(ビルディング・ストーリーズ)

著者:クリス・ウェア
出版社:Delcourt/Pantheon
制作国:アメリカ

『ジミー・コリガン』作者によるコミックの枠を越えた話題作。大きなボックスに収められた14の印刷物(本、パンフレット、ポスター、新聞など)からなり、どこからでも読むことができる。シカゴのアパートに住む義足の女性が結婚・出産を経てもなお孤独を抱えて生きる様を描く。
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Prix de la Série
シリーズ賞


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LASTMAN T6
(ラストマン 6巻)

著者:バラック、ミカエル・サンラヴィル、バスティアン・ヴィヴェス
出版社:Casterman
制作国:フランス

『塩素の味』(2013、小学館集英社プロダクション)で第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞したバスティアン・ヴィヴェスと希代の若手作家2人がタッグを組んだBDシリーズの第一章最終巻。主人公の少年アドリアンが、出場した格闘トーナメントで謎の男リシャール・アルダナと出会い、戦いを通して彼の相棒となって成長していく冒険活劇。
日本マンガへのオマージュとして作られたこのバンドデシネは、付録のシールがついたり、イラスト入りのビニールケースに包まれていたりと、内容以外にも今までの海外マンガには見られなかった要素が詰め込まれている。
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Prix Révélation
新人賞

(これまでに刊行された作品数が3点以下の作家対象。年齢、デビューした年とは関係がない)

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YEKINI, LE ROIDES ARÈNES
(イエキニ 土俵の王様)

著者:リザ・リュグラン、クレマン・グザヴィエ
出版社:Éditions Flblb
制作国:フランス

セネガル相撲界に名を轟かせた3人の勇士、タイゾン、バラ・ガイ二世そして"土俵の王"ことイエキニ。実在する彼らのルポルタージュとして作られたこの作 品は、写真を使用した表現も特徴的である。巨躯な彼らの圧倒的な強さと技術に加え、その裏側に秘められた彼らの弱さにも焦点を当てており、ドキュメンタ リーとしての要素も高い。
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Prix Jeunesse
子供向け作品賞


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LES ROYAUMES DU NORD T1
(黄金の羅針盤 1巻)

著者:ステファン・メルショワール=デュラン(作)、クレマン・ウブルリ(画)
出版社:Gallimard
制作国:フランス

映画でも知られる『ライラの冒険』シリーズ、フィリップ・プルマンの小説が原作となっている。パラレルワールドで展開する摩訶不思議な冒険潭。少女ライラは相棒のイタチ"パンタライモン"と共に"真理計(アレシオメーター)"を使って、叔父アスリエル卿救出ために旅立つ。
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Prix du Patrimoine
遺産賞


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SAN MAU, LE PETIT VAGABOND
(三毛流浪記)

著者:張楽平 (チャン・ルーピン)
出版社:Éditions Fei
制作国:中国

中国のタンタンともいうべき国民的マンガで、今日でも中国では幅広い世代から親しまれている。1935年に初犯が出版されており、その前後10年程の上海の様子を孤児の少年"三毛(サモ)"の視点で描いていく。
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Fauve Polar SNCF
SNCF(フランス国鉄)ミステリ賞


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PETITES COUTURES À SHIOGUNI
(潮国事件)

著者:フロラン・シャヴエ
出版社:Philippe Picquier
制作国:フランス

作者はマンガ形式のガイドブック『東京散歩』(2012、飛鳥新社)で知られるフロラン・シャヴエ。日本のどこかに存在する「潮国市」が舞台となり、潮国市警察と犯罪者たちとの戦いの日々を描く。日本を知り尽くしたフランス人作者によって、レシートや、ポスターといった小物にまで、丁寧に"日本"が描き込まれているのも魅力の一つだろう。
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Prix de la Bande Dessinée Alternative
オルタナティブ賞


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DERIVE URBAINE T6
(都会漂流 6巻)

著者:エリック・ノザル他(画)、ボリス・ユルテル(表紙)
出版社:Une autre image/SERENDIP-livres
制作国:フランス





そして、漫画の発展に寄与した作家に対して贈られるグランプリ(功労賞)は、
『AKIRA』などで知られる大友克洋さんが受賞しました!
日本人のグランプリ受賞は、なんと史上初です!

例年は、その他の受賞作品と同じ、最終日の閉会式にて発表されるのですが、
今年は会期初日(29日)に前倒しされての発表となり、
日本でもニュースサイトなどで大きく取り上げられました。


Grand prix de la ville d'Angoulême
グランプリ


大友克洋
Katsuhiro Otomo


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また、今年は先日1月7日に起こったシャルリー・エブド襲撃テロ事件を受け、
シャルリー・エブド紙に対して「グランプリ特別賞」の授与が決定。
グランプリとともに会期初日の29日に受賞が発表されました。

さらに、この襲撃テロ事件を受けて「表現の自由・シャルリー賞」を新設することが発表され、
今回の事件で亡くなったシャルリー・エブドの漫画家5名を第1回受賞者とすることが決定しました。

会期中には、同紙の過去の表紙がアングレーム市内各所で掲示され、亡くなった漫画家の作品展示が行われた他、新聞漫画をテーマにした討論会、恒例の「デッサン・コンサート」(バンドの生演奏に合わせたライブデッサンショー)では終演時にシャルリー・エブド追悼イラストを描かれるなど、随所に事件の記憶が刻まれたフェスティバルとなりました。


なお、2月7日からは、シャルリー・エブド追悼イラストの一般募集が開始され、
送られた作品はFacebook上でアルバムにして公開される予定だそうです。

●追悼アルバム  <その1><その2
⇒イラストの送り先: jesuischarlie@bdangouleme.com


アングレームについてもっと知りたい方は、
アングレーム国際漫画祭事務局の協力を受けた「アングレーム国際漫画祭日本語ブログ【公認】」が先頃ついに開設されましたので、ぜひあわせてご覧ください!

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