INTERVIEW

【マンガミュージアム研究員がBDを斬る!】伊藤遊さん、猪俣紀子さんインタビュー


今回は日本をはじめ世界中からファンが訪れるマンガの殿堂
京都国際マンガミュージアムからお届けいたします!

インタビューを受けてくださったのは、
民俗学からマンガを考える、マンガ研究界の異端児、伊藤遊さん
自身もバンドデシネ(以下BD)の邦訳・出版を手がける猪俣紀子さんのお二方。

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▲伊藤遊さん(左)/猪俣紀子さん(右)


普段はあまり聞けないマンガ研究・編集者の立場のお話から、
ミュージアムでのイベント裏話まで、最後までお楽しみください!



●京都国際マンガミュージアムについてはこちらから↓
公式サイト:http://www.kyotomm.jp/

●猪俣紀子さんの翻訳BDについてはこちらから↓
くらしき絵本館公式サイト:http://www.kurashiki-ehonkan.com/




* * *



―では、本日はよろしくお願いいたします。お二人が在籍されています、マンガミュージアムでは2008年頃より、数々のBDイベントが行われ、ミュージアムの一階にはBDコーナーも設けられていますね。個人的には2009年のメビウス来日の際に行われた、Archives(DJ、ペインター、造形師の3人のマンガファンからなるパフォーマー集団)のライブペインティングイベントがとても印象深かったのですが、どういったきっかけで企画されたんですか?


伊藤 「あのイベントは、メビウス作品にインスパイアされたライブペインティングとDJと組み合わせて、ミュージアムのイベントホールをクラブみたいにしちゃおうぜ、というのがそもそものコンセプトでした。メビウスが来日するということで企画したイベントでしたが、実際にやってみたらメビウス本人もノリノリで(笑)」


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伊藤 「音がうるさいんじゃないかっていう心配もあったんですが、マンガを読んでいる人たちは集中していて、まったく気にならなかったみたいですね。今までミュージアムでは見られなかったクラブ好きな層まで来てくれて、そういう人たちにもまずBDを知ってもらえるきっかけになったかと思います。一番踊ってたのはメビウスでしたけど(笑)」



―お二人からご覧になられて、来館者のBDに対するリアクションはいかがでしょうか?


伊藤 「BDのイベントにやってくる人達って、結構堅実な方が多いんです。毎回イベントには大勢集まるんですけど、それが全国の総BDファンというか(笑)。本当に熱心にいらっしゃるので、それぞれ段々顔見知りにもなっていくんですが、その熱心なファンのコミュニティがそのままイベントの色になってしまうんですね。だからBDのイベントに関して言えば、(マンガファン含む)ライトなBD好きの層はあまり見ない印象です」



―では、もう少しライトな層にもイベントに参加していただきたいと?


伊藤 「そう思います。マンガミュージアムでイベントをやる意義は、やっぱりミュージアムに気軽に遊びにくる日本のマンガファンの人たちに"こんなものもマンガとして世界にはあるんだよ"ということを伝えるということなんです。だからそういった方々にも伝わるような形にはしたいと思ってます。BDの展覧会については特別料金を取らないようにしたりして。BDは単純に"絵画"として素晴らしいものも存在するので、一見のお客さんでも、展覧会の図録などを買っていってくれる方はいますね」


猪俣 「わたしは絵本として楽しんでくれるような人とか、若い女性にBDが雑貨感覚で受け入れられるんじゃないかっていうことを虎視眈々と狙ってるんです」


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伊藤
 「いや、狙っているというか、もう実践してるでしょ(笑)」

猪俣 「そう、まだあまり効果は出てないんですけど......(笑)。本当にBDって多様なんですよね。今、日本で多く出版されているタイプがスタンダードではあるんですが、かわいいものやシュールなものもエンターテイメントとして存在するので、そのあたりを紹介していきたいと思っています」



――若い女性向けのかわいい作品というと、以前、フランスの若者へのインタビューの中で、ペネロペ・バジュー(Pénélope Bagieu)やパッコ(Pacco)といった「ブログ発のBD」がフランスで人気という話が出たのですが、ご覧になったことはありますか?


猪俣 「実はわたし、ペネロペ・バジューの作品はぜひ出したいなぁと思ってたんですよ。こういう女の子の日常を綴ったエッセイイラスト集って、フランスで数年前に流行った時に、グッズなんかも結構出てたんです。手帳とかがAmazonで買えたりして。こういう"カワイイ"カルチャーのものから、フランス独自の文化やイラスト、そしてBDに入っていくのはアリだと思います」


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猪俣 「自分を含めてですが、日本のカワイイものが好きな女性ってフランス大好きなんですよね(笑)。それぞれフランスの文化、モード、エスプリが好きって言うふうに。BDには日本ではまだ紹介されていないんですが、大人向けのBDで、かわいくて皮肉の効いたようなものが結構あるんですよ。そういったかわいくてオシャレなBDで、ちょっとでも生活が楽しくなればって思うんです」


伊藤 「『自殺うさぎの本』(青山出版社)*1とか宇多田ヒカルの訳した『エミリー・ザ・ストレンジ』(メディアファクトリー)*2、あとはジェラルディン・コジアックの『Avec l'Age(年を取るにつれて)』(未邦訳)*3のようなブラック・ユーモアとかエスプリの効いた一コマで構成された作品のジャンルがありますよね。ヴィレッジ・ヴァンガードとかに売っているような。そういったジャンルなら、日本でも十分に可能性がありそうですよね。
BDは敷居が高いと思っている人にまずは入り口としてキャラクターグッズなんかどうかな。でも、フランスのBD関係者は、あまりキャラクターグッズとか作りたがらないっていうよね」


猪俣 「まぁ、作りにくいしね(笑)」


伊藤 「でも単に絵として素晴らしいものもあるんだから、これTシャツとかポスターにしたらカッコイイんじゃないか、とかよく思うんだけど......。フランスでBDの本屋さんに行くと、置いてるのってグレンダイザー*4とかばかりなんです(笑)。あとは聖闘士星矢とか。タンタンとかぐらいじゃないかな、BDでグッズ化されてるのって。そういったところから始めていくのも、まずは読んでもらうきっかけになるんじゃないかと思いますよ」


猪俣 「わたしが翻訳しているBD作家のジョゼ・パロンドという方は逆に「キャラクター化したい」と言ってますよ。グッズ化もしたいと言っているので、作家自身は自分の作品が知られていくなら、グッズ化されることを望んでいる人はいると思います。他にも、今わたしが翻訳しているBDの作家に「ポストカードを作ってみたいんだけど」といったら大賛成でしたし、インデペンデントな作家たちは特にグッズ化したいという人が多いような印象を受けますね」



――これまでミュージアムには、BD作家も多く来館されています。個人的な印象で構わないのですが、彼らは日本のマンガとの関わり方についてどのようにとらえていると思われますか?


伊藤 「ニコラ・ド・クレシーや、マルク=アントワーヌ・マチューのような作家はまだ若いし、今後マンガといろいろなかたちで関わっていきたいという部分はあるように思います。たぶん、ニコラのキャラクターが立ってるのは、日本での滞在も影響してるんじゃないかな。『JAPON』(飛鳥新社、2006)に掲載された『新しき神々』(のちに大幅な加筆の上、長編作品『Journal d'un Fantôme(あるおばけの日記)』として発表)って作品の中でも、キャラクターがメインのマンガを描いてますし、彼のBDが読みやすいのは、そういったキャラクター性の高さににあると思います」


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伊藤 「ぼくが初めてフランスに行ったときは、ちょうど日本のマンガがどんどんフランスに入ってきていた時代で、集まったBD関係者の多くは、文化帝国主義的に『BDを守らなくてはならない』というようなことを言っていたんです。そういう人が多い中で、一人だけ『いや、ぼくは違うと思う』と言ってくれたのがジャン=ダヴィッド・モルヴァン*6だったんですね。彼は、BDはもっと色んなものとミックスされていくべきなんだといって、日本のマンガスタイルを取り入れてくれたんです」


猪俣 「マンガに呼応してBDがアクティヴになることを自体はフランスの出版社も喜んでいるかもしれないですが、やっぱり「BDマニア」な人たちは芳しく思ってない状況みたいですね。例えばフランスの若い子なんか、BDは読まないけどマンガは読むっていう風潮があるので、それは苦々しい気持ちの方もいると思います。
ただ、フランスの出版業界でも、そういった若い女性を含む若いマンガ好きな層がBDに活気を取り戻した、と言われているので、業界としても無視できないという認識はあるようですよ」



―では、逆に日本側の立場から、今後、日本でBDを普及していくにあたって、何が重要だと思われますか?


伊藤 「やっぱり様々なタイプを知ってもらうことじゃないでしょうか」


猪俣 「さっきの保守的な方もいて、という話と関連するんですが、重厚な、わりと難解とされるBDが好きだという方もいれば、わたしのように"カワイイ"ものとして、多様なジャンルのBDを広めていきたい人間もいていいと思うんですよね。それぞれが、それぞれにしか伝えられないものを伝えていけばいいんじゃないかと」


伊藤 「関わっている作家も研究者も、ぼくが知る限り圧倒的に男性が多いですからね。そのためにこういったカワイイタイプの普及が難しいのかもしれないです。BDファンの方も男性が優勢そうですし(笑)。アングレームのBDフェステヴァルでも結構妙齢な男性が多いんですよ。近年、子供とか若い女性が増えていたりもしますが、それは明らかにマンガの要素がBDに加わったことに因るんです」


猪俣 「繰り返しですが、キャラクター化によって、女子層はだいぶ動くと思いますよ。あとは流通ですね。わたしの翻訳したBDの場合も、まず本屋さんで「どこに置いていいか分からない」って言われるんです。売り込みにいっても「これって子供むけなんですか? マンガ......ではないですよね?」って言われてしまって、どうしていいのやらってことで洋書コーナーに置いてもらったりとか(笑)」


伊藤 「そういう時は女性エッセイですっていったら売れるんじゃない?"カワイイ"もの好きの社会人の若い女性層を取り込んだら、完全にポピュラーカルチャーとして成り立っていくと思う。日本の場合、そのターゲット層は本当に大きいので」



―最後に、お二人のお気に入りのBDを教えていただけますか?

 
伊藤 「ぼくはメタだったり、パロディを使ったようなブラックなものが好きなので、『ピノキオ』(小学館集英社プロダクション)をあげようと思います。まず絵柄が大好きだし、主役がゴキブリっていうシュールさも大好きです。それから、ぼくはフランス語が読めないので、そういう人にも楽しめる、という意味ではマチューの『3秒』(河出書房新社)もお気に入りです。ミュージアムのカフェの壁面に、来館した作家さんのサイン付きのイラストがあるんですが、マチューは火災報知機にそれを描いてるんですよ(笑)。その斜に構えたようなスタンスがすごい好きですね」


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猪俣 「私は3作品あります。まずはフレディ=ナドルニ・プシュトスキンの作品『La colline empoisonnée(毒の塗られた丘)』です。彼のBDは、一コマ一コマの絵の完成度がものすごく高いのに、かなり読み易いんですよ。日本マンガのナレーションに近い形で描かれてて、短く詩的なテキストも素敵です。あとは小幡文男さんという方がカナダのフランス語圏から出された『L'incroyabe histoire de la sauce soja(醤油の信じられない話)』、絵柄はポップでリズム感のあるストーリー展開なんですが、暴力性なんかも描かれていて、現代的なBDだと思います」


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▲『La colline empoisonnée』(左)/『L'incroiyable histoire de la sauce soja』(右) ※ともに未邦訳


猪俣 「最後は女性作家ガエル・ドュアゼの『Mon premier voyage tout autour de la terre(初めての世界一周旅行)』。BDというより絵本なんですが、ファンタスティックでかわいらしいところがたまらないんです」


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▲『Mon premier voyage tout autour de la terre』 ※未邦訳



―今後の猪俣さんの新作にも期待大ですね!
 マンガファン、BDファンが参考になる真面目な話から、イベントの裏話まで
 貴重なお話ありがとうございました!




(インタビュー・執筆:林 聡宏)

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【注釈】

*1 - 『自殺うさぎの本』...イギリスの絵本作家アンディ・ライリーによるブラックユーモアに溢れたイラスト集。シンプルな線で描かれたかわいらしいうさぎたちが、なんとか自殺しようとする様がひたすらに描かれている。その後の人気から続編も刊行されている。

*2 - 『エミリー・ザ・ストレンジ』...コズミック・デブリ作。アメリカ発のイラストエッセイ集(場合によっては絵本とされる)。思春期から抱える社会への反骨精神や大人たちの矛盾に対するわだかまりをブラックジョークたっぷりに描いている。原書ではアルファベットを使ったジョークが多用されているため、邦訳は難しいとされた。

*3 - フランス政府レジデンスアーティストとして京都の芸術家村ヴィラ九条山に滞在した作家。イラストや写真も用いた芸術活動を行っており、本作は文字通り『Avec l'âge(年を取るにつれて)』という出だしで、年を重ねることに変化していく身の回りを皮肉まじりに描いている。日本未発売。

*4 - 昭和50年代に発表された永井 豪原作のロボットアニメで、マジンガーZシリーズの第三作目。現在でも通用すると言われる作画レベルの高さから、当のフランスでとんでもない高視聴率を記録した。そのため、グッズも多く存在する。

*5 - ジャン=ダヴィッド・モルヴァン。フランスのコミック作家で、バンド・デシネとマンガの実験的融合作品を制作。各国で自らの作品が出版され、受賞する中、近年では新人の発掘やその編集者としても活躍している。


INTERVIEW

来日決定! レジス・ロワゼルインタビュー動画



11月初旬に日本初紹介となる人気BDシリーズ
『時の鳥を求めて』が刊行される人気BD作家レジス・ロワゼル

時の鳥を求めて』は、フランス本国で現在最も人気が高いジャンルである
"ヒロイック・ファンタジー"ものの草分け的存在として知られる名作シリーズで、
いまなお高く評価されている伝説的BD作品です。


1010_01.jpg   En quête de l'oiseau du temps [全4巻]


  [著者]Serge Le Tendre / Régis Loisel
  [出版社]Dargaud


この作品をきっかけに一躍人気BD作家の仲間入りを果たしたレジス・ロワゼルは、
あの童話のピーターパンをリアリスティックに描いた
ピーターパン』(全6巻)シリーズなど、話題作を次々に発表。
さらに、ディズニーのアニメ映画『アトランティス 失われた帝国』の製作や
『リトル・トム』の絵コンテ制作にも携わるなど多岐にわたる活躍をし、
2002年のアングレーム国際漫画祭では、作家のキャリア全体を評価して贈られる
アングレーム市グランプリを受賞しました。


そしてこの11月、

なんとそのレジス・ロワゼルの来日が決定しました!
※レジス・ロワゼル氏の来日は、残念ながらキャンセルとなりました。

今回は来日を記念して、レジス・ロワゼルのインタビュー動画を公開します!











■来日イベント情報■



【展覧会】
レジス・ロワゼル×エマニュエル・ルパージュ作品展



【期間】
11月1日(木)~11月14日(水)

【場所】
アンスティチュ・フランセ関西 3階サロン
※9月1日以降、関西日仏学院より名称変更

※入場無料
※お問い合わせ:アンスティチュ・フランセ関西(075-761-2105)

【公式サイト】
http://ifjk.jp/events/event-detail/313



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【トークショー】
レジス・ロワゼル×エマニュエル・ルパージュ
~フランス・コミックスの世界

『ムチャチョ』(飛鳥新社)の著者エマニュエル・ルパージュ氏と、
『時の鳥を求めて(仮)』がまもなく出版予定のレジス・ロワゼル氏。
それぞれ異なる世界観を持つこの2つの作品について、作家ご自身に語っていただきます。
※日本語通訳あり
※レジス・ロワゼル氏の来日は、ご本人の都合により残念ながら、キャンセルとなりました。
 エマニュエル・ルパージュ氏単独での講演となります。



【日時】2012年11月11日(日)14:00~16:00
【場所】京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
【定員】200名(先着)

※事前申し込み不要。当日朝10:00~館内にて整理券を配布します。
※無料(別途ミュージアム入場料が必要です)


【公式サイト】
http://www.kyotomm.jp/event/evt/fr_talk2012.php



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【座談会】
海外マンガフェスタ2012



【日時】11月18日(日)11:00~16:00
【場所】東京ビッグサイト西棟アトリウム(Comitia102会場内)

12:45~14:15
レジス・ロワゼル×エマニュエル・ルパージュ×大友克洋 座談会
※レジス・ロワゼル氏の来日は、ご本人の都合により残念ながら、キャンセルとなりました。
 別の登壇者を近日発表します。

14:30~16:00
ブノワ・ペータース×フランソワ・スクイテン×浦沢直樹 座談会

【公式サイト】
http://kaigaimangafesta.com/


ロワゼル&ルパージュのサイン会の実施も検討中!!



※その他にも企画中のイベントがまだまだありますので、
 情報解禁次第、サイトにてお知らせします!



INTERVIEW

『ラパス』エンリコ・マリーニ氏インタビュー動画


1年の休刊を経て、先月刊行された「ユーロマンガ」Vol.7では、
人気の連載作品も新たな展開に突入しました。

創刊号より連載が続いている
ジャン・デュフォー原作、エンリコ・マリーニ作画によるゴシック・ミステリー
ラパス―血族の王国』も今号から第4巻の掲載が開始されています。



0829_01.jpg   Rapaces  〔全4巻〕

  [著者] Jean Dufaux / Enrico Marini
  [出版社] Dargaud



  ストーリーの概要はユーロマンガ公式サイトで確認できます。



そこで、今回は『ラパス』の作画家エンリコ・マリーニ氏のインタビュー動画を公開します!










●『スコルピオン』

0829_02.jpg   Le Scorpion 〔1~10巻〕


  [著者] Stephen Desberg / Enrico Marinii
  [出版社] Dargaud

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●『ジプシー』

0829_05.jpg   Gipsy 〔全6巻〕

  [著者] Thierry Smolderen / Enrico Marini
  [出版社] Alpen Publishers / Les Humanoïdes Associés / Dargaud

  ※リンクは英語版です

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INTERVIEW

ドイツコミック最前線を知る!/『ベイビーズ・イン・ブラック』翻訳者・岩本順子さんインタビュー〔後編〕


前回に引き続き、
ベイビーズ・イン・ブラック』の翻訳者、岩本順子さんに、
まだ日本ではあまり知られていないドイツコミックの事情について語っていただきました!


bib_cover.jpg   ベイビーズ・イン・ブラック
  THE STORY OF ASTRID KIRCHHER & STUART S UTCLIFFE


  アルネ・ベルストルフ[著]
  岩本順子[訳]
  講談社
  定価:2,058円(税込)
  
  © 2010 Arne Bellstorf / Reprodukt. All rights reserved.


それでは「ドイツコミック最前線を知る!」の〔後編〕、
続きを読む、からどうぞ!



* * *



―ドイツの漫画はドイツ語では何と呼ばれていますか? また、バンド・デシネやアメリカン・コミックス、マンガという言葉はそのままドイツ語に定着しているのでしょうか?


ドイツの漫画は「コミックス(Comics)」とよばれています。
新聞などに掲載されている風刺漫画は「カトゥーン(Cartoon)」と呼ばれ、オチがあるものです。
最近では、比較的長編で、物語性の濃い作品を、アメリカ風に「グラフィック・ノベル(Graphic Novel)」と呼んでジャンルわけしています。

日本のマンガは「Manga」と呼ばれ、独立したひとつのジャンルになっています。また、韓国の漫画は「Manhwa」、中国のマンガは「Manhua」と呼ばれて区別されています。また、ドイツ人などで、日本のマンガを読んで育ち、典型的な日本の少年少女マンガの画風で描く作家が多数育っており、成功しています。彼らは、日本風に「Manga-ka」と呼ばれています。

マンガ、アメコミという言葉は定着していますが、 バンド・デシネという言葉は、たぶん作家や出版業界の人しかわからないのではないかと思います。とはいえ、フランス、ベルギーのコミックスはドイツではアメコミやマンガ同様、広く読まれています。



―ドイツコミックの歴史と現状について教えてください。


ドイツは、ドイツにおけるコミックの父とでも言うべき、ヴィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch)という作家を輩出しています。彼は19世紀後半に活躍した詩人であり、そして今で言うコミック作家です。独自のキャラクターを生み出し、数ページにわたってコマ割りされた作品も製作しており、その作品は現在も広く愛されています。


■Wilhelm Busch - Max und Moritz
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ちなみに、ドイツで最も伝統ある、エアランゲン市のコミックサロンで選出される最優秀コミック賞も、ブッシュのキャラクターからとって「マックス&モリッツ賞」と名付けられています。


しかし、現在のドイツにおけるコミックの源流は、戦後、占領軍によってもたらされたアメコミの数々でしょう。

50年代半ばになると、旧西ドイツでは、ロルフ・カウカ(Rolf Kauka)という作家が、スタッフを結集してコミック雑誌の刊行を始め、ディズニーに倣って、キツネのフィックス&フォクシー(Fix und Foxi)など、広く愛されるキャラクターを生み出しましたし、ハンスルディ・ヴェッシャー(Hansrudi Wäscher)というスイス生まれの作家は、騎士のジグルト(Sigrud)、ファルク(Falk)といったヒーローが活躍する冒険ものコミックで人気を博しました。


■Rolf Kauka - Fix und Foxi
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■Hansrudi Wäscher - Sigrud / Falk
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旧東ドイツでは、50年代にハネス・ヘーゲン(Hannes Hegen)という作家が『モザイク』(Mosaik)というコミック雑誌の基礎を築き、ディグ、ダグ、ディゲダグ(Dig, Dag, Digedag)という3人組の人気キャラクターを生み出しています。


■Hannes Hegen - Dig, Dag, Digedag
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また、80、90年代のドイツでは、ブレーゼル(Brösel)という作家の、ヴェルナー(Werner)というダンゴ鼻キャラクターのコミックが広く読まれていました。


■Brösel - Werner
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でも、これらのコミックは、いずれも子供向けであるか、大衆的な人気を博したものです。

ドイツにおける、大人のためのコミック、ストーリーコミック、あるいは芸術的に優れたコミックは、70年代頃から翻訳出版されはじめた、フランス、ベルギーのBDの影響を受けて生まれたのではないかと思います。

その先駆が、80年代に登場したマティアス・シュルトハイスでしょう。マティアスの作品のほとんどが、最初にフランスで出版され、その後、ドイツに逆輸入されました。当時、ドイツの主要なコミック出版社は、自国の作家を発掘できていませんでした。

一方、小さなコミック出版社は、設立以来、地道に着実に作品を世に送りだしてきました。ドイツの作家たちにとって、貴重な存在であり続けているのが、スイスの出版社エディション・モデルネ(Edition Moderne)〔※1981年設立、コミック雑誌『シュトラパツィン』(Strapazin)も出版〕、そしてベルリンの出版社レプロドゥクト(Reprodukt)〔※1991年設立〕です。

最近になってようやく、ドイツの主要なコミック出版社も、BDやMangaだけでなく、自国の作家を再発見しはじめたように思います。



―注目すべきドイツコミック作家について教えてください。


マティアス・シュルトハイス(Matthias Schultheiss)

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誰にも真似のできない、独特な筆致、常に変化し続ける画風、人生の歓喜と悲哀を一杯にたたえた、心臓の鼓動まで聞こえてきそうなキャラクターたち、常に社会に挑戦的なテーマ...。
これからも描き続けて欲しい作家、ドイツで、もっと評価されるべき作家だと思います。絵の上手い作家は、他にも沢山いますが、マティアスのように、物語をつくりだせて、絵や表現においても常に新しいことを試みようとしている作家はほとんどいません。


アナ・フアンマッツ・マインカ(Ana Juan & Matz Mainka)

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アナはスペインの画家、イラストレーターですが、コミックスや絵本も世に送りだしています。
ドイツ人のパートナー、マッツは歴史物を得意とするコミック作家。マッツの原作、アナの絵による『二人姉妹』(Dos Hermanas)『』(La Isla)を、以前『MANDALA』誌上でご紹介しましたが、これら2作はすでにイタリアで単行本化され、9月には英語版、フランス語版、スペイン語版がそれぞれ出版されるほか、共同作品の3話目となる『約束』(Promesas)もこの秋に出版されます。この2人の活動にも注目しています。



―日本マンガやアメコミ、バンド・デシネはドイツではどのように読まれていますか?


いずれも、ドイツにおいてはすっかり定着しています。
ディズニーのコミックスや、フランスのコミックスが、当たり前のように読まれているように、日本のマンガも、今日ではすっかりドイツのコミックシーンに溶け込んでおり、日本の作品であることを、特に意識せずに読んでいる少年少女も多いと思います。日本のマンガは『ドラゴンボール』以降、日本同様、右起こしで出版されています。

ただ、日本のマンガは、1990年代の前半頃まで、ドイツにおいてはかなり誤解されていました。
『モーニング』の仕事を始めた頃は、「日本のマンガ=SEXと暴力」という図式ができあがっていたのです。ドイツのメジャーな媒体が、当時、日本の大衆文化について、極端な報道をしていたからではないかと思います。そこで、日本のマンガの多彩さを伝えるため、『モーニング』編集部としてコミックフェアに出展し、展覧会を行ったり、講演会を行ったりしました。『ドラゴンボール』が登場する頃〔※ドイツでは1997年〕から、その誤解は解けてきたように思います。



―今後の活動予定について教えてください。
 

私は現在、コミックの世界からずいぶん離れてしまったのですが、かつて、一緒に仕事をしたドイツの編集者たち、作家たちとは、今も時々会っています。新しく得た情報は、私のサイトのArt & Comicのコーナーで、簡単にご紹介しています。

『ベイビーズ・イン・ブラック』は、レプロドゥクト社のサイトで出版を知り、すぐ編集者と作者にコンタクトをとったのですが、このように、心に響く作品にまた出会ったら、日本の出版社の方にご紹介しようと思っています。



―岩本さん、ありがとうございました!




(インタビュー・構成執筆:原正人)



■岩本順子さんPROFILE

0815_06.jpg   1960年神戸市生まれ。翻訳者、ライター。ハンブルク在住。
  90年代に日本の漫画作品のドイツ語訳に従事。
  現在はドイツとブラジルを往復しながら、両国の風土、食文化、ワイン
  について執筆活動中。自ら運営するサイトでは、ハンブルク・エッセイも
  発信してい る。著作に『おいしいワインが出来た!名門ケラー醸造所
  飛び込み奮闘記』(講談社)『ドイツワイン 偉大なる造り手たちの肖像』
  (新宿書房)、『ぼくは兵役に行かない!』(ボーダーインク)がある。

  WEBサイト: www.junkoiwamoto.com



というわけで、2回にわたっておおくりした「ドイツコミック最前線を知る!」は以上です。
いかがでしたでしょうか?

ドイツのコミックについては、インタビューでも紹介されている
岩本さんのART & COMIC アーティストのページhttp://www.junkoiwamoto.com/detail_artcomic.php)に、
より詳しい説明があります。

また、日本語で読めるドイツコミックの情報としては、以下のようなサイトもありますので、
ぜひチェックしてみてください!

GOETHE-INSTITUT
http://www.goethe.de/kue/lit/prj/com/jaindex.htm


INTERVIEW

ドイツコミック最前線を知る!/『ベイビーズ・イン・ブラック』翻訳者・岩本順子さんインタビュー〔前編〕


今年5月、ドイツ人漫画家アルネ・ベルストフによるコミック『ベイビーズ・イン・ブラック』日本語版が
講談社より刊行されました。


bib_cover.jpg   ベイビーズ・イン・ブラック
  THE STORY OF ASTRID KIRCHHER & STUART S UTCLIFFE


  アルネ・ベルストルフ[著]
  岩本順子[訳]
  講談社
  定価:2,058円(税込)
  
  © 2010 Arne Bellstorf / Reprodukt. All rights reserved.


本書のタイトルにもなっている「ベイビーズ・イン・ブラック」は、1964年に発表されたビートルズの楽曲。
本書は、この曲のモチーフとなったとされる、ビートルズの初代ベーシスト、スチュアート・サトクリフと彼の恋人のドイツ人写真家アスリットの実話をもとに描かれました。
名曲「ベイビーズ・イン・ブラック」に秘められたかなしい物語......60年代ハンブルグを舞台に、若者の青春と死を描いた、せつなく美しいグラフィック・ノベルです。



■Baby's in Black - The Beatles



さて、『ベイビーズ・イン・ブラック』は日本ではまだあまり馴染みのないドイツのコミックですが、
ドイツのコミック事情とはどのようなものなのでしょうか?

そこで、BDfileでは『ベイビーズ・イン・ブラック』の翻訳者、岩本順子さん
ドイツのコミック事情についてインタビューしました!

岩本さんは、かつて講談社の『モーニング』に掲載されたドイツコミックの翻訳を手掛け、
ドイツにおける日本漫画の普及にも携わってこられた方です。

岩本さんがドイツコミックに携わられたきっかけから
ドイツコミックの歴史、現状まで、興味深いお話をたくさん伺えましたので、
ドイツコミック最前線を知る!」と題し、〔前編〕〔後編〕の2回に分けてお届けします!




* * *



―先日、ドイツの漫画家アルネ・ベルストルフの『ベイビーズ・イン・ブラック』(講談社)が岩本さんの訳で刊行されました。本作の見どころを教えてください。



作者のアルネは、50~60年代のハンブルクの若者文化に興味があり、色々調べて行くうちに、アストリット・キルヒヘアという女流写真家の作品、そして彼女とビートルズとの繋がりを知ったそうです。この作品は、現在もハンブルクで暮らすアストリットへのインタビューから生まれた、本当のお話です。

60年代初期のハンブルクは、ミュージシャンを目指す若者たちにとって、強い磁力を持つ、特別な場所だったようです。それは、ひょっとすると、ハンブルクが最も輝いていた時代だったのかもしれません。アルネは、当時のハンブルクと、そこで起きた悲しい物語を、誇張することなく、淡々と描いています。どのページからも、ハンブルクというドイツの北の果ての都会の、60年代初頭の空気を感じ取っていただけるのではないかなと思います。




―岩本さんはかつて『モーニング』誌上でドイツ作品の翻訳を手がけ、ドイツにおける日本マンガの普及にも携わられたそうですが、どのような経緯でドイツ、それから日本マンガ、ドイツのマンガに関わることになったのですか?


1989年に、ハンブルクの出版社に研修に来ておられた、講談社の社員の方の通訳を時々担当させていただいたのですが、そのご縁で、翌1990年、講談社国際室でドイツ語翻訳スタッフとして働きました。仕事内容は、フランクフルト国際書籍見本市の日本年イベントの準備でしたが、国際室にいると、他の色々な部署からも翻訳の依頼や、ドイツに関わる問い合わせが舞い込み、そういったことにも対応していました。

当時、国際室では、大友克洋さんの『AKIRA』をドイツで出版する準備が進んでいたのですが、ドイツの出版社が、訳者が見つからず困っているという話を、国際室の方から伺いました。そこで、当時のパートナーと一緒に試訳を送りましたら、運良く採用され、ただちに作品の翻訳にとりかかることになりました。私が漫画の世界と関わるようになったのは、『AKIRA』の翻訳を通じてでした。


私は、少女時代も学生時代も、ほとんどマンガを読まずに過ごしたのですが、『AKIRA』との出会いの衝撃は、とても大きなものでした。翻訳しながら、大友さんの絵と表現法に魅せられ、彼の過去の作品も手に入れて読みました。『ハイウェイスター』とか『さよならにっぽん』など、本当に魅力的でした。


『モーニング』との出会いは、その翌年の1991年でした。『AKIRA』のドイツでの出版がスタートし、帰省の折りに国際室にご挨拶に伺いましたら、『AKIRA』担当の方が、ちょうど『モーニング』が世界各地の漫画家との共同作業を始めているので、一度編集長にお会いになってみませんか、と言って下さったのです。


そうして、モーニングの編集長から、ドイツのコミック事情をレポートするほか、編集部と一緒に仕事ができそうな面白い作家を発掘し、編集のサポートをするという仕事をいただき、約9年間ドイツ支局を担当しました。ドイツのマンガ作品に触れたのは、この仕事を通じてです。


以後、日本のマンガをドイツ語に翻訳する仕事と、ドイツのコミックを日本に紹介する仕事を並行して行っていました。


 
―具体的にどのような作家を紹介なさったのでしょうか? 日本のマンガ誌にドイツの作家の作品を連載するにあたって苦労されたことなどあればお教えください。


ドイツのコミック事情を調べるうち、当時のドイツにはあまり独自のコミックが発展していないことがわかりました。正確ではないかもしれませんが、当時、市場に出回っていたコミックの8割が外国のものだったと思います。


あの頃、ドイツで唯一成功していたのは、クノルナーゼン(ダンゴ鼻)・コミックスとひとまとめによばれていた、大きな鼻のキャラクターが登場するコミックでしたが、それは『モーニング』が求めているものとは違いました。


「モーニング」の編集者の方が、すでにマティアス・シュルトハイス(Matthias Schultheiss)という作家についての情報を持っておられたので、最初にコンタクトを取ったのが彼です。マティアスは当時『プロペラマン』(Propeller Man)という作品をアメリカ向けに製作しはじめたばかりで(ダークホース刊)、この作品をフランクフルト書籍見本市で講談社にも持ち込んでいたそうです。


0815_01.jpg   Propeller Man


  [著者] Matthias Schultheiss
  [出版社] Dark Horse Comics



『モーニング』が、これとは別の作品を希望したため、マティアスは『プロペラマン』完結後の1994年頃から、全力で新作に取り組んでくれました。でも、500ページを越える、モノクロの大作になるはずだった『狂気の中枢(仮題)』(Im Zentrum des Wahnsinns)という作品が400ページくらいできたところで、海外支局を閉めることになってしまい(1999年)、掲載には至りませんでした。マティアスはアシスタントを持たず、たった一人、インクとエアブラシで描いていましたから、全ページを描き終える前に連載を始めてしまうと、きっと追いつかなくなってしまうだろう、ということで、編集部では完成を待って掲載する予定だったようです。後に、ハンブルクの小さな出版社が出版を検討していましたが、実現せず、この作品は未完のまま葬られてしまいました。


でも、その後、シュルトハイスの新作を講談社の『MANDALA』という雑誌で紹介することができました。『河をゆく女』(Die Frau auf dem Fluß, 2008)と『ダディ』(Daddy,2009)で、ともにオールカラーの作品です。シュルトハイスは、2010年に、久しぶりの長編『ビルとの旅』(Die Reise mit Bill)をフランスとドイツで出版し、カムバックを果たしました。2011年にはドイツ版『ダディ』も出版しています。


0815_02.jpg   MANDALA Vol.2


  2008年3月発行

  ※『河をゆく女』収録



0815_03.jpg   MANDALA Vol.3


  2009年7月発行

  ※『ダディ』収録


0815_07.jpg   Die Reise mit Bill


  [著]Matthias Schultheiss
  [出版社]Splitter Verlag
  2010年




私が『モーニング』に紹介したのは、アンドレアス・ディアセンAndreas Dierßenという、当時デビューしたばかりの作家でした。犯罪者や探偵など、孤独な人間の姿を切り取ってみせてくれる作家で、『モーニング』には『血のようにはかなく』(Zart wie Blut)というオールカラーの短編集と『クンツ』(Kunz)という私立探偵が主人公のモノクロ作品を掲載することができました。前者はドイツですでに単行本化されたものを逆版にして掲載、後者は1999年にドイツで単行本となりました。アンドレアスは、その後、絵本の仕事に集中していますが、彼も昨年、久しぶりに『最高の時代』(Die besten Zeiten)という作品を出版、カムバックしました。


0815_04.jpg   Kunz


  [著]Andreas Dierßen
  [出版社]Carlsen
  1999年


0815_05.jpg   Die besten Zeiten


  [著]Andreas Dierßen
  [出版社]Carlsen
  2011年



私は、このような非常に面白い仕事に巡りあったのですが、ドイツの作家を紹介するという点では、あまり成果をあげることができませんでした。当時のドイツに『モーニング』の編集者をうならせるほどの作家、『モーニング』に挑戦しようとする作家が、ほとんどいなかったことも事実です。90年代は、ドイツの出版社が日本のマンガを「発見」し、輸入することに躍起になった時代で、自国の作家を育てようとしていませんでした。また、アンダーグラウンドで活動する作家たち、個性的なイラストレーターたちが、登場しはじめてはいましたが、彼らはまずドイツで地盤を固めることに力をいれていました。



* * *


というわけで〔前編〕はここまでです!
次回の更新(8/22)では、ドイツのコミック事情についてより詳しく岩本さんにお聞きしていきます。
お楽しみに!



(インタビュー・構成執筆:原正人)



■岩本順子さんPROFILE

0815_06.jpg   1960年神戸市生まれ。翻訳者、ライター。ハンブルク在住。
  90年代に日本の漫画作品のドイツ語訳に従事。
  現在はドイツとブラジルを往復しながら、両国の風土、食文化、ワイン
  について執筆活動中。自ら運営するサイトでは、ハンブルク・エッセイも
  発信してい る。著作に『おいしいワインが出来た!名門ケラー醸造所
  飛び込み奮闘記』(講談社)『ドイツワイン 偉大なる造り手たちの肖像』
  (新宿書房)、『ぼくは兵役に行かない!』(ボーダーインク)がある。

  WEBサイト: www.junkoiwamoto.com



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