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いよいよ発売! イタリアの天才絵師セルジオ・トッピ『シェヘラザード』


今週末9月28日(土)に
いよいよ日本初上陸となる
イタリアの天才絵師セルジオ・トッピの代表作
シェヘラザード~千夜一夜物語~』が発売となります。

シェヘラザード.jpg シェヘラザード ~千夜一夜物語~

セルジオ・トッピ[著]
古永真一[訳]

B5判変、226ページ、上製、本文1C(一部4C)
■定価:3,200+税
ISBN 978-4-7968-7163-1

2013年9月28日 発売予定
好評予約受付中



セルジオ・トッピって誰?という方は、
まずはこちらの画像をご覧ください。

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いかがでしょう、この圧倒的迫力!!
コマ割りや枠線にとらわれない自由な画面構成、
銅版画を思わせる荒々しくも繊細な描線が印象的です。

もうこの絵を見ていただければ、それで充分のような気もしますが、
ここで簡単に著者セルジオ・トッピと『シェヘラザード』についてご紹介します。


セルジオ・トッピは、1932年、イタリア・ミラノ生まれのアーティスト。
1960年に漫画家としてデビューして以来、
その大胆な構図、白黒の繊細な描線により、
イタリア漫画界に新風を吹き込んだイタリア漫画界の巨匠の一人です。

昨年、トッピは79歳で惜しくもお亡くなりになりましたが、
晩年の2008年にはフランス・アングレーム国際漫画祭で大規模な展覧会が行われた他、
中国でも、2011年に北京で展覧会、杭州の漫画フェスティバルで賞を受賞。、
さらに英訳刊行も相次ぐなど、近年、世界的に評価の機運が高まっています

日本初上陸となる本作『シェヘラザード~千夜一夜物語~』は、トッピの代表作といえる作品で、
1979年にイタリアの雑誌『Alter Alter』に初めて発表されました。
その後、2000年にその掲載作品が1冊のアルバムとしてまとめられて
フランスのモスキート社から出版され、
2005年に同じモスキート社から第2巻が刊行されています。
今回の日本語版はその第1巻、第2巻を1冊にまとめたものになります。

『シェヘラザード』の下敷きになっている『千夜一夜物語』は、
「アラビアンナイト」の名でも知られているイスラムの民話集。

妻の不貞を発見して以来、苦悩と不信にさいなまれ、
毎夜若い娘を献上させては翌朝には処刑していたシャハリヤール王。
父の反対を押し切り、王の元へと向かった美しく賢い娘シェヘラザードは、
夜が明けるまで古今東西のあらゆる不思議な物語を王に語りはじめます。

トッピはこの『千夜一夜物語』を出発点に、
独自の世界観で、無慈悲で荒涼としたアラビア世界を描き出しました。

イタリアの孤高の天才絵師が圧倒的な画力で描きだす、
無慈悲で美しいアラビアンナイトをぜひお楽しみください!!


《関連記事》

イタリア漫画界の巨匠 セルジオ・トッピ氏追悼/BDfile
追悼 セルジオ・トッピ/1000planches


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読者が選ぶ翻訳海外マンガランキング「ガイマン賞2013」開催中!!


一昨年、昨年と好評を博した
「この海外マンガがすごい!」改め読者が選ぶ翻訳海外マンガランキング
ガイマン賞2013」が今年も開催されます!!

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公式サイト:http://gaiman.jp/



ガイマン」とは、アメコミ(アメリカ合衆国)や、バンド・デシネ(フランス語圏)、マンファ(韓国)など
日本以外の地域で制作された海外マンガ全般を指すことばとして作られた造語。

つまり「ガイマン賞」は、今年翻訳出版された外国マンガ、略して「ガイマン」の中から
読者が本当に面白かった作品をランキングしよう!という企画なのです。

今年はなんと
・京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター
・明治大学 米沢嘉博記念図書館
・北九州市漫画ミュージアム

の3館による合同主催というかたちで行われることになりました。


【対象作品】は
2012年10月1日から2013年9月30日の期間に
日本で翻訳出版された海外マンガ作品。
ノミネート作品一覧

【応募期間】は
2013年9月14日(土)~11月17日(木)までです。


期間中、「ガイマン賞」の公式サイトに設置された投票フォームを使って投票を募集します。
(一人3作品まで投票が可能です)
投票フォーム


また、期間中はなんと、
京都国際マンガミュージアム/米沢嘉博記念図書館/北九州市漫画ミュージアムの3館で
ノミネート作品のほとんどを読むことができます。
投票は各館に置かれた投票箱でも絶賛受付中!


●京都国際マンガミュージアム
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京都国際マンガミュージアム

京都市中京区烏丸通御池上ル(元龍池小学校)
(京都市営地下鉄烏丸線・東西線
烏丸御池駅2番出口より徒歩2分)
http://www.kyotomm.jp


期間中、北館1階の階段室にて展示中。
(※ミュージアム入場料が必要です。詳しくは利用案内にて)

●米沢嘉博記念図書館
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米沢嘉博記念図書館

東京都千代田区猿楽町1-7-1
(JR御茶ノ水駅より徒歩7分/水道橋駅より徒歩8分/地下鉄・神保町駅より徒歩8分)
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib


2階開架閲覧室にてノミネート作品の一部と海外マンガ関連の参考図書を展示中。
(※閲覧には会員登録が必要です。詳しくは利用案内にて)

●北九州市漫画ミュージアム
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北九州市漫画ミュージアム

福岡県北九州市小倉北区浅野二丁目14-5あるあるCity5階・6階
(JR小倉駅新幹線口より徒歩2分)
http://www.ktqmm.jp/


(※入館料が必要です。詳しくは利用案内にて)



さらに、ガイマン賞開催にあわせて、さまざまなイベントも企画されています。


~闇の国々展 ガイマン賞 開催記念~
フランス漫画の魅力 BD作家 ヴァンサン・ルフランソワさんを囲んで

日時:2013年10月5日(土)14:00~15:30
会場:北九州市漫画ミュージアム
出演:ヴァンサン・ルフランソワ氏(バンド・デシネ作家)
料金:漫画ミュージアム常設展チケット(*)または年間パスポートにて観覧可能(※)大人400円(320円)、中高生200円(160円)、小学生100円(80円)( )内は30人以上の団体料金(お一人様料金です。)
主催:アンスティチュ・フランセ九州、北九州市漫画ミュージアム


ガイマン賞トークイベントその(1)
『"ガイマン"をもっと楽しむために ―アメコミとBDの翻訳者に聞いてみた―』


日時:2013年10月13日(日) 16:00~17:30
会場:米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室(千代田区猿楽町1-7-1)
出演:椎名ゆかり(アメコミ翻訳者)、原正人(バンド・デシネ翻訳者)
料金:無料 ※会員登録料金(1日会員300円~)が別途必要です。


海外マンガフェスタ

日時:2013年10月20日(日)
会場:東京ビッグサイト東展示棟(コミティア106と併催)
※ノミネート作品の展示と投票箱の設置を行います。


ガイマン賞トークイベントその(2)


日時:2013年11月中旬 時間未定
会場:米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室(千代田区猿楽町1-7-1)
出演:未定
料金:無料 ※会員登録料金(1日会員300円~)が別途必要です。


第21回マンガカフェ
『この翻訳海外マンガがすごい!「ガイマン賞2013」結果発表!』


日時:2013年11月23日(土) 14:00 ~ 16:00
会場:アートエリアB1(京阪電車「なにわ橋」駅地下1階)
出演:ミソトミツエ(海外マンガ研究者)
料金:無料(申し込み不要、先着50名)
主催:大阪大学21世紀懐徳堂/京都精華大学国際マンガ研究センター
企画製作:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/NPO法人ダンスボックス
協力:NPO法人recip[地域文化に関する情報とプロジェクト]


ガイマン賞トークイベントその(3)
『ガイマン賞結果発表と今年のガイマン総まとめ』


日時:2013年12月7日(土) 時間未定
会場:米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室(千代田区猿楽町1-7-1)
出演:未定
料金:無料 ※会員登録料金(1日会員300円~)が別途必要です。


はたして今年はどんな作品が年間ベストに輝くのか!?
みなさま、ふるってご応募ください!!


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第2回海外マンガフェスタ開催決定! 来日ゲスト情報続々!!


昨年11月に、第1回目となるイベントが行われ、盛況のうちに幕を閉じた
あの「海外マンガフェスタ」が今年もコミティアと共催で開催されます!


【日時】
2013年10月20日(日)
午前11:00~午後4:00

【場所】
東京ビッグサイト
東展示棟コミティア106会場内


公式サイトはこちら→http://kaigaimangafesta.com/


もちろんShoProも昨年に引き続き出展予定!

すでに公式Twitter等で、参加アーティストの情報なども続々更新されていますが、
現在までに発表されているBD作家さんの来日情報をまとめました。



* * *


■ニコラ・ド・クレシー


まず一人目のゲストは、『氷河期』『サルヴァトール』などで
日本でも大人気のBD作家、ニコラ・ド・クレシーさんです。

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ド・クレシーさんは1966年、フランス・リヨン生まれ。
モントイユのウォルト・ディズニー・アニメーション・フランスに勤務したのち、
1991年に『フォリガット』でBD作家としてデビューしました。

2005年に日仏共同企画『JAPON』(飛鳥新社)の短編製作のために初来日し、
2008年には京都のヴィラ九条山レジデンスに招聘アーティストとして滞在。
2010年には京都国際漫画ミュージアムでルーヴル美術館共催による展覧会
「マンガ・ミーツ・ルーヴル―美術館に迷い込んだ5人の作家たち」のために
来日イベントを行うなど、日本との関わりも深いBD作家さんです。

現在までに4冊の邦訳版が出版されていますが、
10月の来日にあわせて、デビュー作の『フォリガット』がパイインターナショナルより刊行予定。
Amazon等で予約も始まっています。


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『天空のビバンドム』
(飛鳥新社)
『氷河期』
(ShoPro Books)
『サルヴァトール』
(ShoPro Books)
『レオン・ラ・カム』
(エンターブレイン)



■フアンホ・ガルニド


二人目は、黒猫探偵ブラックサッドが活躍するハードボイルドコミック
ブラックサッド』の著者フアンホ・ガルニドさんです

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ガルニドさんは、1967年、スペイン・グラナダ生まれのBDアーティスト。
スペインのアニメーションスタジオでアニメ制作に携わったのち、1993年にフランスに移住。
モントイユのウォルト・ディズニー・アニメーション・フランスで
アニメーターとして勤務するかたわら、原作者のフアン・ディアス・カナレスとともに
『ブラックサッド』シリーズ第1作「黒猫の男」を描き上げ、2000年にBD作家としてデビューします。

『ブラックサッド』シリーズは現在、4巻までが出版されていますが、
フランス国内で数々の賞を受賞している他、
世界各国で翻訳版が出版されている超人気タイトルです。

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日本でも、2005年に早川書房より
第1巻「黒猫の男」、第2巻「凍える少女」の邦訳版が出版されており、
第3巻以降は「ユーロマンガ」にて連載されていましたが、
この度の来日にあわせて、第3巻「赤い魂」が単行本として発売されることがアナウンスされました。

フアンホ・ガルニド氏がブラック・サッドについて語ったインタビュー動画はこちら(再掲)↓





■アルチュール・ド・パンス


最後は、昨年のアングレーム国際漫画祭で、
子ども向け作品の優秀作品賞を受賞
したことでも話題になった
ゾンビレニアム』の著者アルチュール・ド・パンスさんです。

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アルチュール・ド・パンスさんは1977年、フランス・ブルターニュ生まれ。
アニメーターとしていくつかの短編アニメを手掛けながら
雑誌『Max』や『Fluide glacial』などでイラストレーターとしても活躍。
その後、これまであまり正面から扱われることのなかったセックスをめぐる
男女のあれこれをユーモアたっぷりに描いた『かわいい罪』(ユーロマンガVol.4掲載)で
BD作家として人気を博しました。

また、アルチュール・ド・パンスさんに関しては
以前BDfileで最新作の『カニの歩み』という作品をご紹介しましたが、
今回の来日を受けて、日本語版が出版されることが決まったそうです。

タイトルは『カニ革命』(仮題)で、
飛鳥新社ユーロマンガコレクションより刊行予定です。

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アルチュール・ド・パンス氏のインタビュー映像はこちらから(再掲)↓





昨年の第1回海外マンガフェスタでは、
日本のマンガ界を代表する、大友克洋さん、浦沢直樹さんという錚々たる方々も
ゲストとして出席され、来日作家さんとの対談で会場は大いに盛り上がりましたが、
今年もなんと、松本大洋さん、真島ヒロさんという
豪華ゲストの出演が決定しています!!

今年はBDだけでなく、アメコミアーティストの方々も数多く来日する予定なので、
昨年以上に盛り上がること間違いなし!です。


ShoProの出展ブースの内容など、
海外マンガフェスタ関連の情報については、また随時こちらでお知らせしていきます。

10月20日は東京ビッグサイトに集まれ!


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いよいよシリーズ制覇!『闇の国々Ⅳ』収録作品発表


2011年12月、記念すべき『闇の国々』日本語版第1巻が刊行されて以降、
『闇の国々Ⅱ』『闇の国々Ⅲ』と、順調に巻を重ねてきた〈闇の国々〉シリーズ。

yami_no_kuniguni.jpg なんと4刷達成!!

闇の国々

ブノワ・ペータース[作]/フランソワ・スクイテン[画]
古永真一・原正人[訳]
定価:4,200円(税込)
ISBN 978-4-7968-7101-3

© 2008, 2009, 2010 Casterman, Bruxelles All rights reserved.
闇の国々Ⅱ.jpg 好評発売中!!

闇の国々Ⅱ

ブノワ・ペータース[作]/フランソワ・スクイテン[画]
古永真一・原正人[訳]
定価:3,990円(税込)
ISBN 978-4-7968-7132-7

© 2007, 2008, 2009 Casterman, Bruxelles All rights reserved.
闇の国々Ⅲ200.jpg 好評発売中!!

闇の国々Ⅲ

ブノワ・ペータース[作]/フランソワ・スクイテン[画]
関澄かおる・古永真一・原正人[訳]
定価:3,990円(税込)
ISBN 978-4-7968-7146-4

© 2002, 2004, 2009, 2010 Casterman, Bruxelles All rights reserved.


著者ブノワ・ペータース氏とフランソワ・スクイテン氏が、
30年の歳月をかけ築き上げてきた壮大な作品世界
2年足らずで一気に刊行するという無謀なプロジェクトでしたが、
ついにこの10月、クライマックスを迎えます!


日本語版最終巻
『闇の国々Ⅳ』
10月25日(金)発売決定!
10月19日(土)発売!


『闇の国々』シリーズ自体はまだまだ継続中なので、
日本語版はひとまず「一区切り」となりますが、
本国で発表されているシリーズ本編はこれですべて網羅したことになります。

そこで今回は、その『闇の国々Ⅳ』の収録作品を一挙ご紹介します!!




130821_01.jpg アルミリアへの道
La Route d'Armilia, 1988

シリーズ第4作目。

X年5月25日、飛行船ツェッペリン号が極地の都市アルミリアに向けてミロスを出発した。
乗組員たちに混じって飛行船に乗り込んだ少年フェルディナンは、〈闇の国々〉全体に影響を及ぼしかねないアルミリアの異変から街を救うという密命を帯びていた。出発して間もなく、フェルディナンは、強制労働させられている工場から逃げ出し、飛行船に潜り込んだ幼い少女エラと出会う。エラとともに世界各地の名所をめぐり、最終寄港地のミロスに向かうフェルディナンの旅路は順調に見えたが・・・・?


130821_02.jpg 永遠の現在の記憶
Souvenirs de l'Eternel Présent, 2009(初出は1993)

スクイテンがコンセプトデザインを手掛けた1994年公開の映画『タクサンドリア』(日本未公開)の当初のシナリオをもとに制作された作品。
Arboris社から横版で刊行され、その後〈闇の国々〉シリーズの1作として縦版に再編されカステルマンから再販された。

無人の宮殿とコリント式の円柱に囲まれた廃墟の町タクサンドリア。
謎の大異変の後、"永遠の現在"法により、過去や未来に関するあらゆる言及が禁止されたその町の"最後の子供"エメは、ある日、町の秘密が隠された本を見つける。
その内容に衝撃を受けたエメは危険な冒険へと乗り出すが・・・・。


130821_03.jpg 砂粒の理論
La Théorie du Grain de sable, 2007, 2008

2013年8月現在の〈闇の国々〉シリーズ最新作。

787年、ゴーラム・モルティザ・カーンと名乗る男が宝石商を営むエルザ・オートリックの元を訪れた。
男の身に着けていた装身具に興味を抱いたエルザは数日間だけその装身具を預かることになったが、時を同じくして、ブリュゼルの町に異変が起こり始める。
ある家ではまったく同じ重さの石が突然次々と現れ、またある家では、砂粒が一定の割合で蓄積していく。
事態の調査のため、当局は一人の女性を現地に派遣した。彼女の名はメリー・フォン・ラッテン。かつて「傾いた少女」としてその名を知られた人物だった・・・・。

以上、シリーズ最新作を含む3篇の他、
日本語版特典としてスクイテンがフランスの雑誌社の依頼で制作した
幻の連作イラスト『Mt. Fuji』を収録予定!
祝・世界遺産登録!


闇の国々Ⅳ』は、2013年10月25日(金)発売予定です。
どうぞお楽しみに!!

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【本日発売!】BD新時代の旗手バスティアン・ヴィヴェス『塩素の味』


昨年11月に初来日し、海外マンガフェスタで大友克洋さんと対談したことでも話題になった
人気BD作家バスティアン・ヴィヴェスの初の邦訳作品『塩素の味』が、
ついに本日24日(水)、発売になりました!

塩素の味.jpg 塩素の味

バスティアン・ヴィヴェス[著]
原正人[訳]

B5判変、226ページ、上製、フルカラー
■定価:2,800+税


バスティアン・ヴィヴェスは1984年生まれ、29歳のBD作家。
BD作家の中では若手の部類に入りますが、
すでにフランス国内でさまざまな賞を受賞し、新作が出るたびに話題になるなど、
フランス漫画界の新世代を代表する、いま最も注目されているBD作家の一人です。

日本語版の帯には、なんと『センネン画報』『cocoon』などの作品で知られる
人気漫画家の今日マチ子さんから素敵な推薦コメントをいただきました!

水中、彼女の顔、
限定されたシーンで
こんなにものびやかに詩情を描けるなんて。
私は生まれる国を間違えたのかも。

―今日マチ子(漫画家)―

そこで、今回はそんな気になる『塩素の味』の中身を
ちらっとご紹介致します!


* * *


本作『塩素の味』日本語版には
表題作『塩素の味』と『僕の目の中で』の2作品が収録されています。


まず1篇目の『塩素の味』は、ヴィヴェスが24歳の時の作品で、
2009年アングレーム国際漫画祭で新人賞を獲得し、
ヴィヴェスが一躍人気作家の仲間入りをはたすきっかけとなった一冊。

130724_01.jpg Le Goût du Chlore
『塩素の味』
 原書表紙

Casterman, 2008

かかりつけの運動療法士のすすめでプールに通うことになった「僕」。
最初はあまり乗り気ではなかった「僕」ですが、
プールで出会った一人の女の子に惹かれていくにつれ、水泳の楽しさにも目覚めていきます。

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セリフや説明を最小限におさえ、
プールの水の冷たさ、水中の浮遊感、塩素の匂いまでもが伝わって来るような詩情豊かな絵で、
「僕」と「彼女」の微妙な感情の揺らぎを表現したこの作品はアングレーム国際漫画祭で大絶賛を受けました。


もう1篇は『塩素の味』の翌年、2009年に発表された『僕の目の中で』。

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Dans Mes Yeux
『僕の目の中で』 原書表紙

Casterman, 2009

「僕」と「彼女」の出会いから別れまでを、一貫した「僕」の目線を通して描いた作品。
キュートで気まぐれな「彼女」に振り回されつつも惹かれていく様子を
『塩素の味』とはうってかわって、温かみのある色鉛筆のようなタッチで描きだしています。
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一見したところ、趣の異なる2篇を収録した日本語版『塩素の味』ですが、
いずれも、どちらかというと消極的なタイプの主人公「僕」と魅力的な女の子との出会いを描いた
ちょっと"しょっぱい"ボーイ・ミーツ・ガールの物語です。

最後に、日本語版刊行によせて、
著者バスティアン・ヴィヴェスから下記のようなメッセージが届きました!

『塩素の味』と『僕の目の中で』を合本にして出版すると聞いて、
最初はちょっとびっくりしました。
でも、よくよく考えてみると、それは理にかなったことなのかもしれません。
この2つの作品は連続して発表されたものですし、そもそも、
どちらもある1人の女性のことを考えながら作ったものなのです。
この2つの物語が日本の読者の皆さんに気に入っていただけるとうれしいです。
どうぞ楽しんでお読みください


―バスティアン・ヴィヴェス―


フランス漫画界期待の新星バスティアン・ヴィヴェスが瑞々しい感性で描く『塩素の味』、
これまでBDを読んだことがないという読者の方にも新鮮な驚きを与える作品です。
ぜひお楽しみください!


―海外マンガフェスタで行われた大友克洋×エマニュエル・ルパージュ×バスティアン・ヴィヴェスの豪華対談の模様は、『ユリイカ』2013年3月増刊号 特集「世界マンガ大系」に収録されています。



■その他のバスティアン・ヴィヴェスに関する情報

○著者公式ブログ「Comme Quoi」
http://bastienvives.blogspot.jp/
○【インタビュー】バスティアン・ヴィヴェス フレンチ・マンガの未来形/nippon.com
http://www.nippon.com/ja/views/b02205/
○【WEBコミック】『Last Man』
最新作『Last Man』第2巻は、下記のサイトにて、無料でWEB公開されています。
http://www.delitoon.com/serie-webtoon/episode/lastman/11.html
○【インタビュー動画】
以前BDfileでも紹介したバスティアン・ヴィヴェスのインタビュー動画(2012年1月収録)



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