COLUMN

【メビウス追悼特集】"ありがとう、メビウス"

 

メビウス氏の逝去にともない

翻訳者の原正人さんから追悼文をご寄稿いただきました。

 

原正人さんは、弊社刊行の『アンカル』や、TOブックス刊行の『エデナの世界』など、

現在日本で入手できるほとんどすべてのメビウス作品の翻訳に携わっていらっしゃいます。

 

 

アンカル表紙画像.jpg

  L'INCAL アンカル

  アレハンドロ・ホドロフスキー[作]

  メビウス[画]

  原正人[訳]

  定価:3,990円(税込)

  ISBN:9784796870832

  

 

 


* * *

 

 

 

2012年3月10日、BD作家メビウスことジャン・ジローが亡くなった。メビウス死去のニュースが流れると、瞬く間にツイッター上に広がり始め、メビウスはこんなにも多くの日本人に愛されていたのかと驚かされた。

 

 

メビウスの翻訳者として、そしてBDの紹介者として、まずはメビウスに感謝の意を表したい。

 

日本には何度かBDを紹介しようという動きがあったが、タイミングの問題もあったのだろう、正直なかなか定着しなかったように思われる。2005年にサトラピの『ペルセポリス』(園田恵子訳、バジリコ)やガルニド&カナレスの『ブラックサッド』(大西愛子訳、早川書房)、2007年にダヴィッド・ベー『大発作』(関澄かおる訳、明石書店)などの傑作が翻訳され、さらに2008年以降『ユーロマンガ』が新しいBDを翻訳したり、京都国際マンガミュージアムが一連の展覧会やイベントを催すなどして、改めてBDを紹介しようという気運が高まった。

 

これが現在のBD翻訳の盛り上がりにつながっているはずだが、それだって2009年のメビウス来日がなければ、現在のような状況になっていたかどうかは疑わしい。皮肉なことに、来日時には普通に日本の書店で新刊として買えるメビウス作品は皆無だった。メビウスはあのすばらしいトークイベントとパフォーマンスで日本の読者のBDに対する飢餓感を煽ってくれたのだと思う。

 

 

私は幸運にも2009年のメビウス来日に関わることができ、その後、飛鳥新社から出版された『B砂漠の40日間』のお手伝いをし、2010年には小学館集英社プロダクションから出版された『アンカル』の、2011年にはTOブックスから出版された『エデナの世界』の翻訳者を務めさせていただいた。これらの翻訳を通じて、メビウスが私に与えてくれたものは計り知れない。メビウス作品の原書が持つ魅力をどれだけ日本語に移し変えることができているか甚だ心もとないが、これらの翻訳がメビウスの日本での知名度アップに少しでも貢献できているとすれば、これ以上うれしいことはない。

 

 

フランス時間の3月15日午後、メビウスの葬儀がパリのサント・クロチルド聖堂で行われることになっている。葬儀は白と紫の色調で統一され、参列者も白か紫の衣裳を身に包むのだとか。白と紫はおそらくメビウスが愛した色なのだろう。『エデナの世界』の第2巻、ステルとアタンが白いモクレンの木の下で眠りにつく場面を思い出す。願わくはメビウスが彼らと同じように穏やかな眠りにつき、夢の世界へと軽やかにはばたくことができますように。

 

 

翻訳者として私に残された仕事は、なるべく多くのメビウス作品を翻訳することだろう。『B砂漠の40日間』、『アンカル』、『エデナの世界』、どれもすばらしい作品だが、未訳の傑作がまだ多く残されている。

 

個人的にはメビウスの短編には、長編に勝るとも劣らない魅力を持ったものが多くあると思う。訳す必要はないが、彼のイラスト集も実にすばらしい。

 

また、メビウスはジャン・ジロー名義で、メビウス名義の作品とはまったく異なる画風の『ブルーベリー』という古典的な西部劇を描いているが、これもまだ翻訳されていない。幸いなことに『ブルーベリー』に関してはエンターブレインから日本語版が出版されることが決定した。手向けというにはささやかだが、これでメビウスのもう一つの面を紹介することができる。ありがたいことにこれも私が翻訳を担当させていただくことになっている。詳細については追ってお知らせしたい。

 

 

不謹慎なことを言うようだが、メビウスを未だに知らない方には、これを機にぜひ知っていただきたい。フランスのBD界だけでなく、日本のマンガ界にも影響を与えたこの巨人の絵は、常に新しく、色あせることを知らない。それは、心地よい描線と瑞々しい色彩であなたに喜びを与えてくれるはずだ。

 

 

(翻訳者・原正人)

 

COLUMN

【メビウス追悼特集】"わたしたちの世代はメビウスの背中を追いかけてBDを知った"

3月10日のメビウス氏の訃報を受け、

マンガ批評家の竹川環史さんから追悼文をご寄稿いただきました。

 

竹川さんは、「ユリイカ」2009年7月号の「特集・メビウスと日本マンガ」でも

「メビウス―視ることへの贈り物」と題した評論を寄稿されています。

 

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  ユリイカ 2009年7月号

  ~特集・メビウスと日本マンガ~

  定価:1,300円(税込)
  発行:青土社
  ISBN:978-4791701957

 

 


* * *

 

 

 

バンド・デシネの巨匠、メビウス(ジャン・ジロー)が逝去された。まさに巨星墜つという衝撃だ。

 

間違いなく、名だたるマンガ家、クリエイター、評論家によって、数多くの追悼文が書かれるだろう。現在までの日本マンガとバンド・デシネの関係が総括され、歴史的なひとつの節目になるだろう。

 

筆者はその役を担うには値しないが、いくらか中途半端なわたしたちの世代にとって、メビウスがどんな存在だったか、証言を残しておきたいと思う。

 

筆者は40代前半だが、それは、『スターログ』が継続的に海外マンガを紹介していたときにはまだ幼く、ここ数年のBDの翻訳ラッシュには、だいぶ待たされた感をもつ世代である。中途半端な世代と書いたのはそういう、谷間の世代という意味だ。

 

メビウスの名前を最初に知ったのは、高校生の終わりごろだった。周囲にメビウスやバンド・デシネ(記憶では「フレンチ・コミック」という言い方のほうが一般的だった)を知る者は少なかったが、数少ないそうした知人たちが、どのようにメビウスやバンド・デシネを知ったかというと、大友克洋へ影響を与えたという話として伝え聞いたのである。

 

メビウスへのリスペクトを証言している日本のマンガ家・イラストレーターは大友に限らないが、わたしたちの世代は、中学にあがる前後で『童夢』の単行本が刊行され、高校生で『AKIRA』の連載に出会うので、大友の名前を介して知るのが一番わかりやすかった。わたしたちは洋書店へいってメビウスのBDや画集を探したものだ。

 

おそらく同じ世代でも、メビウスやバンド・デシネを知る時期がもう少し遅いグループだと、大友よりも宮崎駿との関係のほうが知られているかもしれない。また、エンキ・ビラルの翻訳が出版されたタイミングでビラルの向こう側にバンド・デシネやメビウスの存在を知った人たちもいるだろう。

 

実際、80年代後半から90年代まで、比較的入手しやすく目にすることのできるBDはビラルか(イタリアだが)グイド・クレパックスだった。

 

にもかかわらず、いくらか偏見も含まれているかもしれないが、どの時期にどのような経由でバンド・デシネを知ったにしても、だいたいわたしたちの世代にとっては、典型的なヨーロッパのマンガ表現とはメビウスの表現のことだった。メビウスがヨーロッパだった。

 

美しくやわらかいパステルカラー。一瞬にして眼をひきつける配色。緻密で冒険的な線描によって表現された立体感や空間の奥行き。
そのリアルな空間表現に、フラットな面の効果やシンプルで記号的なキャラクターを調和させる巧みさ。細部の魅力......。

 

"アート"

 
その言葉で考えたくなるものが、そこにはあった。ヨーロッパではマンガも芸術のひとつであるという話は当時からどこかで目にしていたが、メビウスを通してなら理解できる気がした。

 

メビウスの表現に出会ってしばらくして、友人と話したことがある。たくさんのBDを見たことがあるわけでもないのに、メビウスを、ヨーロッパのマンガの中心と位置づけるようなことを乱暴にも言い合った。


 
乱暴な議論の中身はこんなふうだ。
マンガの絵とは「嘘のつける」絵である。たとえばあるコマで急に目が「点」になるという表現があるとする。その手前のコマではその絵なりに物理的現実としての目を描いていたとみなすことができるが、目が「点」になったコマでは、何らかの心象が描かれている。すなわち前後のコマではそれぞれ別の水準の虚構性が成立している。(実際にはひとつのコマにも複数の虚構性が混在している)

 

このように、ある水準から別の水準につぎつぎとジャンプすることができることを「嘘のつける」絵と呼んで、メビウスは空間表現やカラーにおいて日本マンガとは別次元のヴィジュアルを実現しつつ、あくまでも「嘘のつける」絵を描いていると話し合った。その、"アート"と"マンガ"の両立をもって、メビウスをヨーロッパのマンガの中心だと、勝手に位置づけたのだ。


 
もちろん、メビウスの絵の性質とバンド・デシネの中心かどうかとは無関係だ。ただ、熱をもってそんなことを議論したくなるような表現が、メビウスにあったということなのである。


 
さらに、わたしたちはフランスではメビウスやビラルが、『少年ジャンプ』的な意味での"メインストリーム"だとその頃は思っていた。

 

そうした誤解も含めて、わたしたちの世代にとって、メビウスこそがバンド・デシネだった。もちろん、同じ世代でも違った印象を抱く人も数多くいるだろう。そのことを否定はしない。ただ、BDについてはメビウスしか知らないという人もまた多かった。

 

BDの翻訳も紹介も少なかった時期にちょうど中高生だった世代にとって、ヨーロッパのマンガの存在とその美しさに気づかせてくれたのはメビウスだった。BDへの関心を持ち続けることができたのは、何よりメビウスの衝撃がそれだけ深く心にささったからだ。

 

そのメビウスが亡くなった。

 

その事実は、やはり手塚治虫が亡くなったときと同様の、ひとつの時代の終わりを感じさせる。

 

わたしが、バンド・デシネとはどういうものなのかについて人に話すとき、常に脳裏にはメビウスの描いたBDの紙面が浮かんでいた。これからもずっとそうだろう。

 

メビウス氏のご冥福をお祈りします。

 

 

 

(マンガ批評家・竹川環史)

 

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【アングレーム国際漫画祭特集④】現地レポート/BD作家編

 

おまたせいたしました!


アングレーム国際漫画祭特集、現地レポート編もいよいよ最終回。
前回に引き続き、注目の若手BD作家から大御所BD作家さんまでを一挙にご紹介します。

 

それでは「BD作家編<Part2>」、

続きを読む、からどうぞ。

 

 


* * * 

 

 

 

■ニコラ・ド・クレシー(Nicolas de Crecy)

 

0307_01.jpg   『氷河期』『天空のビバンドム』の著者ニコラ・ド・クレシーさん。

 

  アングレームではなく、前日にパリでお会いしました。
  昨年、京都でのイベントで来日した時にお会いして以来の再会です。

 

とある邦訳準備中の作品のためのインタビューをしてきたのですが、
残念ながら契約前なので、タイトルはまだ秘密☆です。

 

 

0307_02.jpg   ←ヒントはこのサイン色紙!

 

続報をお楽しみに!

 

 

 

■ファビアン・ニュリ(Fabien Nury)

 

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  シルヴァン・ヴァレ(Sylvain Vallée)とのコンビで発表した
  『Il était une fois en France

  (ワンス・アポン・ア・タイム・イン・フランス)』で
  2011年のアングレーム国際漫画祭のシリーズ賞を受賞した

  注目のBD原作者ファビアン・ニュリさん。

 

『Il était une fois en France』は、移民としてやってきたユダヤ人の少年が、
パリの暗黒街を牛耳るマフィアのボスにまでのしあがっていく様を描いたハードボイルドな作品です。

 

ちょっと浦沢直樹さんを彷彿とさせるような絵でもあり、
日本人にもわりと親しみやすい作品のように感じました。これは面白そう......。

 

こちらの公式サイトで、予告動画も見られます!

 

 

 

■シリル・ペドロサ(Syril Pedrosa)

 

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  今回、下馬評では最優秀作品賞の最有力候補と目されていた

  『Portugal(ポルトガル)』の著者シリル・ペドロサさん。

 

  テレビや新聞の取材もひっきりなしに入っていたようで、

  注目の高さがうかがえました。

 

『Portugal』は、創作意欲を失い、ただぼんやりと日々を過ごしていたBD作家が、
故郷のポルトガルを訪ねたことをきっかけに、再び生きる気力を取り戻していく物語。

 

最優秀作品賞こそ惜しくも逃がしましたが、
フランスの大手チェーン書店Fnacにより選ばれるBDフナック賞を受賞してます。

 

ペドロサさんの作品は、「ユーロマンガ」Vol.3に『抵抗』という短編作品が収録されており、日本語で読むことができます。

 

 

 

■エティエンヌ・ダヴォドー(Etienne Davodeau)

 

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  『Les ignorants : Récit d'une initiation croisée

  (未知なる世界へ-BDがワインと出会うとき)』を描いた

  エティエンヌ・ダヴォドーさん。

 

  この作品もオフィシャル・セレクションにノミネートされていた

  今年の話題作です。

 

タイトルの「Les ignorants」は「無知な人たち、門外漢たち」といった意味の言葉で、
ワインの知識のまったくない漫画家エティエンヌ・ダヴォドーがワイン農家を営むルロワ氏を訪ね、
彼からワインについて学ぶ一方、逆にBDを知らないルロワ氏に自分の専門であるBDについて教えるという内容。


お互いにお互いの専門に対して無知だからこそ掘り下げられる知識や制作の裏話が満載の作品。
BDファンにとっても、ワイン好きにとっても楽しめる一冊です。

 

 

 

■フアーノ・ガルニド(Juanjo Guarnido)

 

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  こちらはもう日本でもおなじみ、

  黒猫探偵ブラックサッドが活躍するハードボイルドコミック

  『ブラックサッド』の作画家フアーノ・ガルニドさん。


原作を手掛けるフアン・ディアス・カナレスさんもガルニドさんももともとはスペイン出身の作家さん。
残念ながら、カナレスさんには結局お会いできませんでした。
(ツーショット写真撮りたかったんですが......残念)

 

 

なお、日本語で読める『ブラックサッド』リストは下記の通り。

 

 

  ・ 『ブラックサッド1 黒猫の男』  ※早川書房より単行本で発売

  ・ 『ブラックサッド2 凍える少女』  ※早川書房より単行本で発売(現在、在庫品切中)

  ・ 『ブラックサッド3 赤い魂』  ※「ユーロマンガ」Vol.1-2(飛鳥新社)収録

  ・ 『ブラックサッド 天に唾を吐く』(短編)  ※「ユーロマンガ」Vol.3(飛鳥新社)収録

  ・ 『ブラックサッド 犬'猫'の仲』(短編)  ※「ユーロマンガ」Vol.4(飛鳥新社)収録

  ・ 『ブラックサッド4 地獄と沈黙』  ※「ユーロマンガ」Vol.5-6(飛鳥新社)収録

 

 

ちなみに『ブラックサッド』は、フィギュアなどのグッズもいろいろと売られています。

 

0307_07.jpg   カッコイイ!

 

 

 


■Enrico Marini(エンリコ・マリーニ)


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  「ユーロマンガ」に連載されていた『ラパス-血族の王国』の

  作画家エンリコ・マリーニさん。


取材の申し込みは事前にしていたものの、
なかなかつかまえることができず、ようやくDargaud社のブースでキャッチすることができました。

 

 

ちなみに各大手出版社のブースには、それぞれサイン会を行うカウンターがあり、
その奥には、サイン会の合間に、コーヒーを飲んだり、
取材を受けたりする関係者用の待合室のようなスペースがあります。

 

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 (写真左) 待合室の中から撮ったサイン会の行列
 (写真中央) 待合室の様子。ここも入れ替わり立ち替わりで、とにかく混んでます
 (写真右) サイン会のスケジュール表。ファンの方たちはこれをメモってサイン会に臨みます

 

とにかく途切れることなく常に誰かのサイン会をやっているので、フェスティバルの舞台裏では

スタッフの方やBD作家さんが「あと5分で出番!」と分刻みのスケジュールで動いていました。

本当に、お忙しいところインタビューやら撮影に応じてくださったBD作家さんには感謝!です。

 

 

 


■ロマン・ユゴー(Roman Hugault)

 

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  イカロス出版から邦訳版が刊行されて話題の

  『ル・グラン・デューク』の作画家ロマン・ユゴーさん。


勝手に年配の方かと思ってたんですが......意外に若かった!
Wikipediaによると1979年7月生まれとのことなので、現在は32歳です。

 

 

ご本人のブログも、見事に航空機関係の絵で埋まってます。
それもそのはずで、ユゴーさんのお父さんも航空機のパイロットだったんですね。

 

ユゴーさんの邦訳新刊『雲の彼方 オドゥラ・デ・ヌアージュ』は3月28日に
同じくイカロス出版から発売予定です。
『ル・グラン・デューク』の前作にあたる作品だそうなので、こちらも要チェック!

 

 

 

■フィリップ・ドリュイエ(Philippe Druillet)

 

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  『Lone Sloane(ローン・スローン)』シリーズで知られる

  BD界の大御所ドリュイエさんです。


  もはや伝説の雑誌となっている「メタル・ユルラン」で

  メビウスさんらとともに活躍されていた方なので、

  日本でもご存じの方は多いのでは。


とにかく一目見たら忘れられないような
クレイジーと言っていいほどサイケデリックな絵を描かれる方です。

 

ご興味のある方はぜひ公式サイトでドリュイエさんの絵をご覧ください。

 


で、絵が絵なものですから、てっきりちょっとヤバめな方かと思ってたんですが(笑)、
これまたびっくりするほどジェントルマンな方でした。

 

最後に投げキッスして去っていったのには驚きました......。

 

だ、ダンディ......!
ドリュイエさん、ダンディ!!

 

 

 

 

フアン・ヒメネス(Juan Giménez)

 

0307_14.jpg   続いても大御所。
  アルゼンチン出身の超人気BD作家ヒメネスさんです。

 

とにかく緻密でデザイン性の高いアートワークと驚異的なデッサン力には定評があり、
画集も何冊も出ているほどなので、
日本でも特にSF好きの方の中にはご存知の方がけっこういるかもしれません。


Twitterでもつぶやきましたが、とにかく目ヂカラがはんぱない方です......。

 

ヒメネスさんの絵をご覧になりたい方はこちらの公式サイトからどうぞ。

 

 

 

さて、ここで重大発表です!

 

 

そんなヒメネスさんの代表作

La Caste des Méta-Barons/メタ・バロンの一族(仮)』シリーズを

今年、上下巻でShoProから発売します!

 

 

*La Caste des Méta-Barons 原書表紙

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アンカル』をお読みになった方ならご存じかと思いますが、
本作はあの殺し屋メタ・バロンを主人公にした『アンカル』スピンオフシリーズです。
原作を手掛けるのは引き続き、あのカルト映画界の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー。

スピンオフ作品とはいえ、これぞまさにホドロフスキーの本領発揮といった迫力の
『アンカル』以上に壮大なスペース・サーガとなっています。

 

ただいま鋭意制作中ですので、発売時期など詳細については追ってお知らせします。

 

0307_15.jpg   乞うご期待!!


 

 

 

 

■ブノワ・ペータース&フランソワ・スクイテン
(Benoît Peeters & François Schuiten)

 

0307_16.jpg   さて、アングレーム特集「BD作家編」の最後を飾るのは、

  昨年末にShoProから邦訳版を刊行した『闇の国々』の著者
  ブノワ・ペータースさん、フランソワ・スクイテンさんです。

 

実際にお会いしてみて、お二人は本当に仲がいいのだなあということがわかりました。

以前、ペータースさんにインタビューをした際に、

『闇の国々』を創作する時は、いつも二人で笑いあいながら、
遊びの感覚に近いような気持ちで作業しているとおっしゃっていたことがあり、

あの複雑なストーリーをそんなふうに作れるものなのか?となかば半信半疑だったのですが、

実際に、目の前で少年のように冗談を言い合うお二人の姿を見ていたら、すっかり納得がいきました。

 


というわけで、ペータースさん、スクイテンさんのお二人に日本のファンに向けてのメッセージをいただきました!
(すみません、会場が騒がしかったため、少々聞き取りづらいかもしれません......ご了承ください)

(追記:画面左側がペータースさん、右側がスクイテンさんです)

 

*【動画】ペータース&スクイテン/日本の読者へメッセージ

 

 

 

以上、「BD作家編」でした!

 

さて、アングレーム国際漫画祭特集、現地レポート編は今回で完結ですが、
アングレーム国際漫画祭に関しては、近日、本年度の最優秀作品賞を受賞したギィ・ドゥリール作、
『Chroniques de Jérusalem(エルサレム時評)』についてのレビューを掲載予定です。

 

どうぞお楽しみに!
 

COLUMN

【アングレーム国際漫画祭特集③】現地レポート/BD作家編

 

 

さて、前回に引き続きアングレーム国際漫画祭の現地レポートの後編をお送りします。

 

後編は、「BD作家編」です。

 

超大御所から新進気鋭の注目アーティストまで
話題・人気のBD作家さんを一挙ご紹介!

 

......と、本来なら1回でご紹介する予定だったのですが、
記事をまとめているうちに、1回ではご紹介しきれなくなってしまいました。

 

やむをえず、<part1>、<part2>と、2回に分けてご紹介したいと思います。
(※ややこしいので、この際タイトルも前編・後編ではなく、「会場案内編」「BD作家編」と改めました)

 

というわけで「BD作家編<Part1>」、続きを読む、からどうぞ。

 

 

 


* * *

 

 

 

■バスチャン・ヴィヴェス(Bastien Vivès)

 

0214_01.jpgのサムネール画像   今年、『Polina(ポリーナ)』の最優秀作品ノミネートで注目を浴びた
  27歳の新鋭バスチャン・ヴィヴェス。

 

『Polina』はバレリーナをヒロインにした、非常に繊細で抒情的な作品なのですが、
実際にご本人に会ってみると、フィギュアの熱烈なコレクターで、挌闘ゲームの大ファンという、
かなりのオタ......イマドキの若者でした。いやー意外。


日本の『バクマン。』などのマンガも読んでいるそうで、
『少年ジャンプ』に代表されるような、日本のマンガ連載システムに興味津々なんだそうです。
実際に、BDで日本のマンガの週刊連載のようなかたちが可能かどうか、
実験的に試してみたりもしているとか。いろんな意味でBD界のニューウェーブといった印象でした。

 

 

 

■フィリップ・カルドナ&フロランス・トルタ(Philippe Cardona & Florence Torta)

 

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  フィリップ・カルドナさん(左)が作画、フロランス・トルタさん(右)が

  カラーリングを担当しています。

 

ちょっと日本のマンガ風の、親しみやすいかんじの絵柄が特徴。

彼らが手に持っている『NOOB』という本はフランスで大人気のシリーズで、
サイン会には黒山の人だかりができていました。

 

0214_03.jpg   会場には、『NOOB』のコスプレをしたファンの方も。

 

カルドナさんは日本マンガの大ファンでもあり、たびたび来日もしていらっしゃいます。
フロランス・トルタさんとは、大学時代に造形美術と日本語の授業で出会って以来、
ずっと一緒に創作活動をしている唯一無二のパートナーです。

 

カルドナさんは、NHKの『テレビでフランス語』のテキストで作品が連載されていたので、
もしかしたら、ご存知の方もいるかもしれません。

 

 

 

■アレッサンドロ・バルブッチ(Alessandro Barbucci)

 

0214_04.jpgのサムネール画像

  飛鳥新社刊行の雑誌「ユーロマンガ」の連載でおなじみ
  『スカイドール』の著者の一人、バルブッチさん。

  (もう一人はバルバラ・カネパさん)

 

とても陽気な方で、写真撮らせてください!とお願いしたところ、この決めポーズ。

 

 

残念ながらちょっとブレてますが、こんなノリノリのポーズもしてくださいました。

 

0214_05.jpg 0214_06.jpg   イケメン!

 

『スカイドール』は、本国でも「ユーロマンガ」で連載された3巻までが刊行済みで、

現在4巻目を制作中とのこと。
新刊の発売が待ち遠しいですね~。

 

 

 

■アルチュール・ド・パンス(Arthur de Pins)

 

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  「ユーロマンガ」第4号に掲載された『かわいい罪』の

  著者アルチュール・ド・パンスさん。


今年のアングレームでは、『Zombillénium(ゾンビレニウム)』という作品で、
子ども向け作品賞(Prix Jeunesse)を受賞しました。

 

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上の写真で、地面にうっすら残っているカニの絵。
石畳やマンホールの蓋など、アングレームのいろんな場所で見かけたのですが、
実はこれ、昨年のアングレームの時に、アルチュール・ド・パンスさんの

La Revolution des crabes(カニの革命)』という作品のプロモーションのためにペイントしたものらしいです。

 

このカニの絵に限らず、道路へのペイントはいたるところで見かけたのですが、
たいてい無許可でこっそりやっているそう。(そしてゆるーく黙認されています)

 

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  今回のアングレームでは、この星型のペイントをたくさん見かけました。

  (カネコアツシさんの『SOIL』のプロモーション?)

 

というわけで、カニのペイントについても、もちろん無許可なので、
アルチュール・ド・パンスさんご本人は「誰の仕業かわからないな。魔法使いじゃない?(笑)」とのこと。

 

※ちなみに『La Revolution des crabes』は、横歩きしかできなかったカニが、不断の努力の結果、

前進することを覚え、ついにカニ界に革命を起こす......という、かなり衝撃的な作品です(笑)。

 

 

 

■トニー・サンドバル(Tony Sandoval)

 

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  今年、最優秀作品賞にノミネートされ『Doomboy(ドゥームボーイ)』の

  著者トニー・サンドバルさん。

 

『Doomboy』は恋人を亡くしたギタリストの少年を主人公にした物語。
とても可愛らしい絵柄なのに、ちょっと毒のある描写が印象的な作風です。

 

例えばティム・バートン監督の映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のような、
シニカルなファンタジーが好きな方に、けっこう響くんじゃないかな~と思います。
Les bétises de Xinophixérox』という作品も、こんなにかわいいイラストなのに、内容はかなりダーク。

 

 


■エマニュエル・ルパージュ(Emanuel Lepage)

 

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  『ムチャチョ』の著者エマニュエル・ルパージュさん。

  ご覧の通り、赤いストールが素敵な、とてもダンディな方です。

 

 『ムチャチョ』は、今年、飛鳥新社のEUROMANGA COLLECTIONから邦訳版が出版予定なので、

エマニュエル・ルパージュの名前は、今後要チェックです。
かなり読み応えのある内容らしいので、発売を期待して待ちましょう!

 

 

 

■レジス・ロワゼル(Regis Loisel)

 

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  「作家編<Part1>」のラストを飾るのは
  2003年にアングレームのグランプリも受賞しているBD界の大御所

  レジス・ロワゼルさんです。


 「タバコ吸いに行くついでならいいよ」と応じてくださり、
サイン会の休憩中にお話を伺うことができました。

 

 

代表作の一つ『Peter Pan(ピーターパン)』は、ディズニー映画で有名なピーターパンのストーリーを下敷きに、
孤児の少年ピーターがいかにしてピーターパンになったのかを解き明かす物語。

 

ロンドンの貧民窟を舞台に、ピーターと彼を取り巻く人々の過酷な現実を描いた傑作です。
ディズニーのアニメと比べると、かなりリアルな絵、リアルなストーリーですね。

 

 

0214_13.jpg   キュートでちょっと色っぽいティンカーベルも登場。

 

 


BD作家さんは、サイン会やメディアの取材などで、フェスティバルの開催中は本当に多忙なのですが、
みなさん、とても気さくに取材や撮影に応じてくださいました。

 

短いインタビュー動画も撮影しているのですが、編集や翻訳にまだもうちょっと時間がかかりそうなので、
そちらは少しずつご紹介していきます。

 

それでは、次の「BD作家編<part2>」をお楽しみに!

 

COLUMN

【アングレーム国際漫画祭特集②】現地レポート/会場案内編


前回に引き続き、アングレーム国際漫画祭特集!
第2弾となる今回は、実際に現地に行ってきたBDfile編集部員による現地レポートです。

前編は、「会場案内編」ということで、たくさんの写真とともに、
リアルなフェスティバルの熱気をお伝えしたいと思います!

(※写真は、クリックで拡大します)



* * *



■漫画の街アングレームへ!


アングレームは、パリのモンパルナス駅を出発して、TGVで約2時間半ほど行ったところにあります。


0208_01.jpg TGVはフランスの新幹線です。ちなみに
発音はフランス流に「テージェーヴェー」。
0208_02.jpg アングレーム駅。
まだ開場前(AM 8:30)なので人もまばらです。

駅からフェスティバルの会場となっている街の中心部までは、徒歩か、
あるいは駅から出ている無料の巡回バスで向かいますが、
この時、無料バスを利用するには、あらかじめ入場パスポートをゲットしておく必要があります。

入場料は1日券が14ユーロ、4日間の通し券が30ユーロ。
現地でも買えるようですが(※←すみません、未確認です)
事前にインターネットで予約しておいたほうが安心です。

到着した時点では、まだ巡回バスが走っていなかったので、徒歩で会場へと向かいました。
徒歩15~20分くらいですが、街の中心部はかなり高台にあり、
荷物があると坂道がけっこうキツイのでご注意......。


さて、街を歩いていくと、さすが漫画の街だけあって、いたるところに漫画モチーフが溢れています。

0208_03.jpg 通りの標識がふきだしのかたちになってる!
0208_04.jpg 街中のあらゆる場所に漫画の壁画が。
「こんなところにも!」というくらい、意外な場所で発見できるので、滞在中にお目当ての作家さんの壁画を探すのも楽しいかも。
ちなみにこちらは『Dans les villages』というシリーズで知られるマックス・カバンヌの壁画です。
その他の壁画については、こちらのサイトで確認できます。スクイテンやニコラ・ド・クレシー、マルク=アントワーヌ・マチューの壁画なんかもあります。発見できなかったメビウスの壁画はメインストリートのエルジェ通りにありました。こんなところにあったとは......。
0208_05.jpg デパートのショーウィンドーでも、
マネキンが漫画を手にポーズ。
0208_06.jpg タンタン』の作者エルジェの名前を冠したメインストリート「エルジェ通り」には、エルジェの銅像が!(ちなみにこのメガネのレンズの色はなぜか2日目には白、3日目には赤に変わってました)


街を歩くだけでもわくわくしてきます。次はいよいよ会場を見ていきます!



■アングレーム見どころ


街の中心部に着くと、まるで「城」のような豪華な建物がどーんとそびえています。

0208_07.jpg どーん!

実は、これがアングレームの市庁舎(Hôtel de Ville)。
実際、塔の部分は中世時代に建てられた城の一部を移築したものなんだとか。

0208_08.jpg ちなみに市庁舎の中はプレス用の待合室になってました。なんともゴージャスなシャンデリアの下で待機するメディア関係者のみなさま......。

この市庁舎を中心に、周囲に点在するあちこちの建物でイベントが行われます。

0208_09.jpg まさに街全体が会場といった様子。
 各会場へは歩いても移動できる距離ですが、坂道も多いので、無料の巡回バスなどを賢く利用すると効率的です。
0208_10.jpg こちらがフェスティバルのプログラム。今年は実行委員長を務める『マウス』のアート・スピーゲルマンがイラストを描いています。(右上のあやしいキャラには敢えて触れません)

4日間の開催中、とにかくいたるところでイベントが行われるので、確実に見たいものは事前にこのプログラムで入念にチェックしておいたほうがよさそうです。


あまりの会場の広さに、すべては回りきれなかったのですが、主要な場所だけ紹介していきます。



●ル・モンド・デ・ビュル(Le Monde des Bulles)

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大手出版社の出展ブースが並ぶメイン会場「ル・モンド・デ・ビュル」。
「bulles」は漫画のふきだしのことです。日本語にすると「ふきだしの世界」といったところでしょうか。

本の販売の他、各ブースでは有名作家のサイン会が常時行われているため、ひっきりなしにファンが詰め掛けます。
人気の作家のサインには、毎朝、整理券を求める長蛇の列ができていました。抽選の場合もあるそうです。

会場の一画には、エスパス・マンガジー(Espace MangAgie)というアジア地域の漫画に特化したコーナーも。



●エスパス・フランカン(Espace Franquin)

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ガストン・ラガフ』などの作品で知られるベルギーの漫画家アンドレ・フランカンの名を冠した「エスパス・フランカン」では、今年の目玉の一つでもあるスペインコミックの企画展(Expo La BD espagnole)が行われていました。パコ・ロカの『』をはじめ、貴重な原画がたくさん展示されていて、改めてスペインコミックの幅広さを実感する展覧会でした。


同じ建物内では、ラジオの公開収録が行われており、この放送は会期中ずっとアングレームの会場で流されています。

一方、建物の片隅では、課外授業にやってきた小学生が、漫画の授業の真っ最中。



●台湾コミック展(Expo Taïwan)

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市庁舎の中庭の特設会場で行われた台湾コミックの企画展。

アーティスティックなものから、日本の雑誌に載っていてもまったく違和感なさそうな少女漫画まで様々なジャンルの作品を展示。台湾コミックの歴史もわかりやすく紹介されてました。



●魔術師、フレッド展(Expo Fred, l'enchanteur)

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Philémon』シリーズで知られる大御所BD作家フレッドの原画展。
ずいぶん昔の作品なのに、古さをまったく感じさせない斬新さ!
これは今の漫画ファンが見ても刺激的なんじゃないかと思います。



●アート・スピーゲルマン展(Expo Spiegelman)

0208_29.jpg この前衛的な建物は、今回のメインイベントの一つであるアート・スピーゲルマンの展覧会が行われていた会場。
が、こちらは時間の都合で中を見ることはできず......無念。




●漫画ミュージアム(Musée de la BD)

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ここは2009年に新しく建て直された漫画ミュージアム。
フランスで出版されたあらゆる漫画、雑誌、原画を保管しており、その一部が常設展にて一般公開されているそうです。

今回の展示では、実行委員長であるアート・スピーゲルマンが国内外から作品をセレクト。
リトル・ニモ』の原画やスーパーマンが初めて登場した『アクション・コミックス』第1号など、感涙ものの貴重なコレクションが並んでいました。これが...これが1億以上の値がついたというあの......!



さて、駆け足で紹介しましたが、フェスティバルの熱気が少しでも伝わったでしょうか?

実際に現地に行ってみて、アングレームはちょっと他では類を見ないような、まさに「国際的な」漫画イベントだということを実感しました。
BDだけではなく、アメコミや日本の漫画、アジア地域やその他のヨーロッパ諸国まで、あらゆる漫画を扱っており、ここに来れば、世界中の漫画の歴史と「いま」を知ることができます。

なによりも、作家や出版社と、ファンとの距離がとても近く、同じ漫画を愛するものとして、一緒になってこのイベントを盛り上げ、楽しんでいるのが印象的でした。



時間の都合で、今回は取材できませんでしたが、

この他にも、若手BD作家の作品を展示した展覧会(Le Pavillon Jeunes Talents)やコンサートとライブ・ペインティングを組み合わせたデッサンのコンサート(Concert de dessins)オルタナティブ系出版社のブース(Le Nouveau Monde)など、時間があったら是非とも見たかったイベント、会場がまだまだたくさんあります

もし、アングレームに行くチャンスがあったら、ぜひ見てきてください!



というわけで会場案内編は以上です。
次回の現地レポート後編では、アングレームで出会ったBD作家さんを紹介したいと思います!

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